VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2008年01月

大仏師匠 084

問 ⇒ 師匠。今日で一月も終わりですね。



「結局、一回もモチ食わなかったわ」

チ~ン。
[ 2008/01/31 19:24 ] お笑い:大仏師匠 | TB(0) | CM(0)

Meaningless(Significant morning)



「おはよう、起きてる?」
「おはよう、起きてる、見たら解るだろ」
「見ただけじゃ解らないかもしれないよ、ちゃんと起きてる?」
「起きてる、重たい、上に乗ってくるな」
「酷いな、起こしてあげたのに」
「だから起きてたよ」

「課題終わった?」
「課題?」
「今日までの課題」
「忘れてた」

「君はダメだな、本当にダメだな」
「知ってるよ、僕は本当にダメなんだ、何でだろ」
「自分はダメだって知ってるのに、まるで動かないからダメなんだ」

「春はまだかな?」
「春はまだだね、雪が降っているもの」
「今は冬?」
「今は冬だろね、雪が降っているもの」

「昨日の絵は何だったの?」
「昨日の絵?」
「あんまり優しくない絵を描いてた」
「ああ」

「太陽は東から昇って西に沈むだろ、もしも太陽がさ」
「その話は、あまり興味ないな」
「いいから聞けよ、もしも太陽がさ、毎日違う方角から昇るなら」
「昇るなら?」
「少しは太陽のありがたみってのを、肌で感じる事ができるのかな」

「お腹すいた? 何か食べる?」
「お腹すいた。だけど何か食べたい気分でもないな」
「じゃあスクランブル・エッグを作ろうか。玉子ある?何個ある?」
「話、聞いてる? ああ、そういえば」
「そういえば?」

「昨日の夢にも、スクランブル・エッグが登場したな」
「へぇ」
「それを僕は、絵に描いたんだ」

「君はダメだな、本当にダメだ」
「そうだな、僕はダメなんだ、本当にダメなんだ」
「課題は終わらせたの? 今日までの課題、終わらせたの?」
「わからない、今日中に終わるかもしれないし、死ぬまで終わらないかもな」

「スクランブル・エッグ、食べる?」
「食べる」
「命を掻き混ぜちゃうのよ、変な料理」
「その表現は、なんだか厭だな」
「君はそれを食べるのよ」

「雪は溶けるかな?」
「溶けるよ、ずっと冬のままではない」
「本当? 何時? ねぇ何時頃、溶けると思う?」
「どうだろね、僕にも解らない」

「何だかね、何だか幸せなんだ」
「そりゃ気が合うね」
「何だかね、同じだけ、何だか不安なんだ」
「そりゃ気が合うね」

「なぁ、僕達は無意味かな?」
「何言ってんの?」
「なぁ、僕達は無意味かな?」
「そんな訳ないじゃん」
「もしも目が覚めて、全部が夢だったら、どうする?」

「おはよう、起きてる?」
「おはよう、起きてる、見たら解るだろ」
「見ただけじゃ解らないかもしれないよ、ちゃんと起きてる?」
「起きてる、重たい、上に乗ってくるな」
「酷いな、起こしてあげたのに」
「だから起きてたよ」

「起きてないよ、君はずっと寝てたんだ」
「何言ってんだ」
「5秒後に目が覚めます、はい、5、4、3……」
「何のマネだよ」

「2」

「ああ、言い忘れてた事があった」

「1」

「僕はね、君をね、何だかね」

「0」

「続きは起きてから言うよ」
[ 2008/01/30 10:27 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

the WORLD is MINE



大丈夫。
去るなら今だ。
より深く。
エグイ傷を残してやろう。

喉元から乳房へ X X X 貫通。
内臓へ。
喜びは君を忘れない事。
自由になる事。
自由にする事。

君が僕を忘れない事。
眠留。
是は夢だ。
一瞬の夢なんだ。

「んッ……」

小さく振動。
瞼を開こうとするのは君。

「……何してるの?」

何もしていない。
ただ僕は此処を去ろうとしている。
眠留の肌は降り始めた細雪のように白く。
それを僕は指で触れ、その質感だとか、その温度だとかを
最期の瞬間まで忘れたくないと思った。

「何処に行くの?」

何処に?
何処に行く訳でも無い。
ただ僕は此処に居ながら此処を去ろうとしている。
君の記憶に、半永遠的に、僕を刻み込んでしまおうと考えている。

最高の瞬間に。
最低の行為で。

眠留。
早く瞼を閉じてくれ。
次に瞼を開いた時に
そこに僕は居ないだろう。

眠留。
ああ、どうか忘れないでくれ。
ああ、どうか僕を、忘れないでくれ。
その為だけに、僕は生きている気がするよ。

大丈夫。
去るなら今だ。
より深く。
エグイ傷を残してやろう。

引き出しから、鉄砲を取り出して、コメカミへ。

ガンッ。




(そして世界は反転する)




最低の気分。
エゴ。
ナル。
反永遠的ヒロイック。
お付き合いする気はないのよ。

眠る私の隣に肢体。
ああ、何がしたい?
必要な分だけ切り取って
あとは忘れてしまいましょう。

せめて忘れてしまうなら
花を一輪
枯れるまで。

種を残して枯れるなら
楽しみ以外の何モノでもなく。

忘れられずに生きるのは
悲しみ以外の何モノでもなく。

最低の瞬間に。
最高の風景を。

そうすれば忘れずにいられたのに。
そうすれば忘れずにいられたのに。




(そして世界は回転する)




「おはよう」

眠留が呟いた。
その声で目が覚めた。
僕は瞼を開き、朝を確認する。

「ほら早く起きて、ご飯食べちゃって」

眠留はスクランブル・エッグを皿に乗せ
トーストが焼きあがるのを待ちながら、僕を見た。
僕はベッドから起き上がり、時計を眺める。八時三十分。

「変な夢、見たかな?」
「夢?」
「僕、うなされてなかったかな?」
「さて、はて」

眠留はトーストを取り出しながら「あちっ」と言った。
それを見て、僕は笑った。
何だかよく解らない朝だけれど、笑えるなら良かった。

最高の瞬間に、最低の行為を。
そうすれば、ずっと忘れずにいられる。
夢の中で僕は、きっと、そんな事を考えていた。

夢の続きは、よく覚えていない。
とにかく最低の気分で目覚める寸前だったのは確かだ。
ところが僕の隣には眠留がいて、一緒にトーストを頬張っているので、
そんな事は何だか全てどうでも良い事のような気がした。

「最低の瞬間に、最高の風景を、だよ」
「……何それ?」
眠留の発言に、僕はスクランブル・エッグを口に運びながら訊ねる。
ところが眠留は答えずに、呑気にトーストを食べながら、また笑った。
よく解らないから、僕は頬杖を付いた。……ん?

頬のラインに沿って、ザラザラとした違和感。
手を離して、指を見る。
赤色。

それが渇いた血の痕だと気付くまで、時間はかからなかった。
血の痕は僕の頬を流れ、喉元へ。
喉元から胸元まで。

血をなぞる。
原因はコメカミに辿り着く。
そうか、やはり撃ったのか、僕は……!

最低の瞬間に、眠留の一言。

「是で忘れられないでしょ?」

最高の一言。
最期の瞬間、僕は笑って。
笑って。



(そして世界は暗転する)
[ 2008/01/29 12:57 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

小川蘇美



「鈴木先生」の第四巻を読む。
本編とは関係ないが、帯のコメントが麻生久美子だった事に、妙に感心する。
「双葉社の人、解ってるな、解ってるよ」などと、ページをめくる前から、妙に一人で納得。

この麻生久美子のコメントが秀逸で、曰く、
「"鈴木先生"を知ってる人は、かなりセンスいいなぁと思ってしまう」
……なんというツボを心得たコメントであろうか。
そのコメントを読む時、我々は誰もが「小川蘇美に恋する5人の中の一人」と変わらない。

「それは俺の事だ!」と挙手したい気持ちを抑え、ニヤリとほくそ笑む。
麻生久美子に漂っている陰鬱なエロスだとか、それを覆う清楚な空気感だとかを知り、
そんな彼女に見合う人間こそ自分だと、彼女の魅力に気付いているの人間こそ自分なのだと、
我々は馬鹿げた妄想の中で、独善的な優越感に浸るのだ。
如何に、この「帯のコメントに麻生久美子」のチョイスが秀逸か、という事が伝わるだろう。

だが我々は、小川蘇美への想いを見透かされたように、
居酒屋で関先生に一刀両断されている鈴木先生の姿、というものも知っていて、フと我に返るのだ。
まさしく彼女の魅力に気付いているのは自分だけに違いない、という優越感に浸っているのは、
何も自分だけではなく、むしろ実はそういう人間の方が多い、という事実に気付くのだ。

そして「鈴木先生」という作品そのものが、そうした ambivalent な魅力に満ち溢れた作品なのである。
それでも我々は、我々にとっての小川蘇美を求めているし、小川蘇美の魅力に気付ける人間に興味を抱く。
その意図的とも思えるほど複雑に絡み合った過剰な ambivalent に引きこまれ、我々はページをめくるのだ。
その衝動が、この作品には存在するのである。


[ 2008/01/28 02:31 ] 雑記 | TB(0) | CM(0)
目次
★説明




★短編






★長編小説














★短編






★お笑い








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