VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2009年08月

パー・ピープル・プー・ペイン

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電車は走る。軽やかに。それを僕は見ない。
季節は君を連れ去ってしまうか。ならば僕も過ぎようか。
お気に入りの歌が流れ始めて、また何にも聴こえないフリをしている。
君が思うよりずっと軽やかなモンだよ。肩の力を抜こう。

あのリフが最高だったんだ。君も知っていたはずだよ。
忘れちまっただけだろ。あんまり忙しかったから。
それっぽい答を見付ける前に、思い出せよ。

色んな景色があるよ。色んな歌があるように。
色んな絵があって、色んな形があって、色んな人達が居たろ。

パー・ピープル・プー・ペイン。
ポップ・ミュージック。
僕のライン。ああ軽妙なリズム。

色んな景色があるよ。色んな歌があるように。
色んな絵があって、色んな形があって、色んな人達が居たろ。

パー・ピープル・プー・ペイン。
ポップ・ミュージック。
君のライン。ああ奇妙なリズム。

電車は走る。軽やかに。それを僕は見てた。
君の匂いに振り返ったけれど、そこには誰も居なかった。
夏が終わるから、このまま風が吹いて、君の悩みが溶けたら良いのにな。

パー・ピープル・プー・ペイン。
ポケット・ミュージック。
君と僕のライフ。ああ、ああ、絶妙なリズム。

電車は走る。軽やかに。それに僕は乗ろう。
電車は走る。軽やかに。それに僕は乗ろう。
[ 2009/08/31 09:23 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

ハッブル

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「何だか暇だな」という名の多忙を、ボクもアナタも持て余しているのでした。
西暦が変わって随分経ったモンだのに、毎日は相変わらず、給料は変わらず。
あの子はシフトの組み方が上手になった。ボクはシフトの断り方が上手になった。
お気に入りのあの曲は、CDなんかじゃなくて、youtubeで知ったのさ。
お気に入りのあの絵は、きっとレプリカに違いない。

色んな裏切りを繰り返しているよ、ボクもアナタも罪を背負った気はないし。
新天地を求めてんだって騒いでんだ、就職情報誌を買う金さえケチってんのに。
あの子はランキング上位に顔を出し、もうじき週刊誌の餌食だ。ボクは知らん顔で。
お気に入りのあの曲は、CDなんかじゃなくて、youtubeで知ったのさ。
お気に入りのあの星は、きっとハッブルが見付けた。

ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
それでも見えている満天の星空。名も無き声。
アナタは知らないでしょう、ボクが欲しかったモノ全て。

ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
それでも見えている満天の星空。あの泣き声。
代わりに聞かせてほしい、アナタが欲しかったモノ全て。

光の速さで進んだって、知り尽くす事のできない世界さ。
それでも知りたいって願ったよ。ボクのキモチとキミのコエ。
何にも無くなったってまだ、何にも無いまま、進み続けているよ。
何にも無くなったってまだ、何にも無いまま、願い続けているよ。
「何だか暇だな」という名の多忙を、ボクもアナタも持て余しているのでした。
ああ世界は終わっても、きっと宇宙は進むのでした。

ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。
ボクじゃない。まだ見付けちゃいない。

巨大な望遠鏡で回転。
満天の星空。
ほら探し出せ、ボクのハッブル。

たった一秒、キミに微笑んで欲しいよ。

光よりも速くさ。
[ 2009/08/30 10:14 ] 詩歌 | TB(-) | CM(-)

ハウ・メニ・ピポ・クライ?

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昨日は最悪だった。
何が最悪だったのかも思い出せない。
多分、思い出したくないのだろうが、それすら思い出せない。

それで僕は酒を飲んで寝た。この家の、この部屋で。
飲酒運転に厳しい世の中では、酒を飲んで帰る事さえ難しい。
コンビニ缶ビール。徒歩五分。小雨。傘は差さない。それは面倒だから。
缶ビールに缶詰。感情は内側に秘めて。吐き出す事はしない。

嗚呼、眠りは深く、短い。
水中から月光が見える距離で、浅はかな呼吸を試みている。
吸って、吸って、吐く。吸って、吸って、吐く。
何も捨てない。只、掃き散らかす。
記憶は塵のように――。


「起きた?」


メリルの声が聞こえて、僕は目を覚ました。
枕に顔をうずめたまま頷くと、その後頭部にメリルの声が被さった。
「起きた?」
寝ている人間に寝たか起きたか質問する行為は、嫌がらせだと思う。

「……寝てる」
「起きてるじゃん」
「寝てたけど、起こされた」
「へぇ、誰に?」

メリルの声が遠ざかり、代わりにガスコンロに火を点す音。換気扇の音。
肌で感じる緩やかな熱気は、恐らく炊飯器の湯気だろう。
その上をタマゴ焼きの匂いが漂っている。

朝飯の匂い。
朝飯の時間だから、僕は起きた。
何か最悪な夢を見たような気がするが、もう覚えていない。

短い欠伸。髪を掻き毟る。
落下するようにベッドから降りて、首を鳴らす。
メリルの後姿が見えて、彼女の鳴らす規則正しい包丁音が聞こえる。

「ほら、早く着替えてね」

朝のニュース。
人殺しの記事と、人救いの記事。静かなニュース。
例えば菜箸は相応に長く、フライパンは相応に重く、ならば僕等の命は。
白く丸い平皿は清潔で、この料理を美味そうに見せている。
ふんわりと焼き上がったタマゴ焼きを、その皿に乗せてみせよう。

「お腹すいた?」
「ん」
「も少し待って」

点いては消える火だよ。そして流れる水だ。
水滴の、その音を追うように。たゆたい。たゆたう。やがて歌。声。
繰り返される逆接・対比・重複表現。欲しいのは真実だよ、メリル。
議論と共有。本音。そういうものを求めている。

ソイツに触れるのは何時だって難しいけれど。
ソイツに触れる瞬間、僕等は何時だって無敵なんだ。

テレビの中じゃ死者の数がカウントされているけれど、本当は何も知らない。
今日は誰が笑うだろう?
今日は誰が泣くだろう?
何をするべきなのか解らなくて考えてみるけれど、何時か答に辿り着くだろうか。

もしかしたら何も解決されないままなのかもしれないが、それも良いだろう。
自分自身を天秤に架けさえしなければ、怖れる未来など少ない。
幸と不幸を嘆くなど、何の意味も無い。
How many people cry?

「いただきます」
「ん」
「ほら、ちゃんと」

一緒の食事が楽しみだから、明日が来るのが楽しみなんだよ。
毎日、毎日、そうなんだよ。
朝だよ。誰にも平等な朝だ。よく眠り、腹を空かせて起きる。
小さなタマゴ焼きを、一口。

「ん、美味い」

世界は相変わらず。
相変わらずなモノだから、守りたくもあるよ。
メリル、当たり前の出来事に、支えられ、忘れられ、愛されている。

「はいはい」

Somebody will cry.
Somebody will laugh.
Life is rough.
My life is life for somebody.

「ほら、今日も頑張って」

そんな風にしてシンプルに、僕等の世界はツクられている。
[ 2009/08/24 09:28 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

+1m/s

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僕は僕以外には成れない。

何て小さな存在だ。
冷静に歩け。ほら凛と立て。
ほとぼりを冷まし、僕は僕の温度でいこう。

初めから始まるみたいに。絡まる断片的な言語。
記憶。伝導。電気信号。
愛想笑いは捨てるよ。その場しのぎの嘘も全部。

何が間違いだった?
何も間違いでは無かった。

只、僕は構築していく。
断片を紡ぐ。
完全を創る。
否、完全など在りはしない。

密やかに知っておくれ。
僕等を結ぶのが、連続的な関係性だって事を。

新たなる言動。行動。振動。
過去から連綿と繋がれて、尚、生み出される。
今と現在。

君は君以外には成れない。

何て大きな存在だ。
眠り、起きて、膨れ面、笑顔。
冷めた血液を熱し、感覚は再び研ぎ澄まされる。

積み重ねる時間。
解れては結ばれる時間。

僕の時間。
僕では無い君の時間。
互いの時間を一箇所に集めて、時代が生まれる。

最後には笑えるか?
別に笑えなくたって良いさ。
其れでも精一杯に走り抜けるべきだ。

89.0m/s。
何とも滑稽な姿だ。
何にも意味が無いなんて思いながら。

+1m/s。
其れを見て君が笑う。
もしも僕等の人生に意味があるなら。

きっと、そういう事だろう。
[ 2009/08/12 12:35 ] 小説 | TB(-) | CM(-)
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