VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2009年12月

銀河

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くんと匂い立つような死だ。

2009年は天才達にとって悲劇的な一年だった。
とりわけロック・スター達の死が僕達に落とした影は大きく、
その鬱蒼とした平べったい影の中で、僕達は居場所を見失ってしまった。
影は広く、深く、終わりなど無いように見えるが、遠くには点々と何個かの光も見える。
僕達は光を(何故だか)追い求めなければならず、追う為に追い続けなければならず、
そう、この大きな影から這い出る為の手段として、小さな光を追い求めた。

昨夜、出口の見えた2009年の終わりに、また一人、ロック・スターが死んだ。
一年前の同じ日に、AV出身の元人気タレントが死んだ事を、僕達は忘れかけていたが、
脳味噌の奥に指を突っ込まれたみたいに、似たような記憶が穿り返されて、こう思った。
悲劇だ。呪われた一年だ。影の中で影を見るような行為だ。死は音も無く近付き、そして――

「自分が何をするべきなのか、解らないような気分にさせる。」

隣で真っ赤なギターを弾きながら、恋人が声を発した。全く意味不明の台詞だった。
恋人は退屈そうに六弦を弾くと、ベッドに転がり、低い天井を見上げた。
明らかに低いのだが、相変わらず手を伸ばしても届きはしない。
天井の向こうに闇は広がっているが、僕達とは関係ない出来事のように思える。

「しかし、それは、すぐそこに在る。」

音の無い――何も無い何かが、佇んでいる。
昨夜のロックスターの死を、僕は恋人からのメールで知った。
言葉に音は無く、色も、熱も無く、僕の感情に意味があったとも思わない。
只、濃厚な死の芳香が、一瞬、僕達を誘った。

意味なんてないよ。
宇宙は広大だ。摂理に抗う事は出来ない。
それでも僕達は光を求め、光を求め続けてきた。
自分に何も出来ない事ではなくて、意味が無い事だけが怖い。
求める事は出来る。しかし求め続けてきた事に、意味が無くなる事は怖い。

「それが君の夢ならば、そんな程度の夢なのよ。」

目覚めて終わる程度の。
死に打ち克つ事の出来ぬ夢なら、何処で終わっても構わない。
僕が死んでも、尚残る何かを、僕は求め続けているのだ。それが僕の――

「君だけが見る夢だわ。」

くんと匂い立つような死だ。
引かれるな。誘われるなよ。光も抜け出せない、重力の闇だ。
今、僕達に出来る事は存在して、意味なんか無くても、確かに存在して。

恋人は起き上がると、再びギターを、今度は優しく奏でた。
小さな声で歌い、僕を見て笑った。
2009年は天才達にとって悲劇的な一年だった。
とりわけロック・スター達の死が僕達に落とした影は大きく、
その鬱蒼とした平べったい影の中で、僕達は居場所を見失ってしまった。
それでも僕達が居場所を追い求める事に変わりは無い。
重力の淵、小さな惑星、その片隅で。

「命は歌う。」

ロック・スターは死んだ。
その事実に対して、僕達に出来る事なんて決まっていて。
要するに恋人は、それに従った。
歌える者は歌い、描ける者は描き、紡げる者は紡ぎ、生きる者は生きる。

生きる者は、生きる。

それで僕は言葉を繋ぎ、この小さな物語を書いている。
真夜中、二時過ぎ、白い息を吐きながら。
銀河の、銀河の、片隅で。
[ 2009/12/26 02:02 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

ガッシュキラキラ

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季節感というモノが、年々薄くなっている気がする。

昔はもっと、正月は正月らしく、節分は節分らしく、桃の節句は桃の節句らしく、
端午の節句は端午の節句らしく、お盆はお盆らしく、春夏秋冬は春夏秋冬らしかった。
それからクリスマスは、今よりもっと、クリスマスらしかった気がするのだ。

それは何故かと考えてみると、
「不況の影響で町の飾り付けが控えめになったからだ」だとか、
「核家族化が進み、個人のニーズに合わせた生活スタイルが定着した」だとか、
それっぽい理由は何個か浮かんだけれど、どれもそれっぽいだけだった。

町の飾り付けが豪華絢爛、酷く華やかだったのは、
高度経済成長の落とし子、かのバブル経済の最中、ほんの一時期だけだろう。
それから僕達の国が、はたまた僕達が、組織より個人を尊重するようになって久しい。
個人のニーズに合わせた生活スタイルというモノが、団体生活を希薄にさせて、その結果、
季節感というモノを年々薄くさせてきたというのは、もっともらしく聞こえるけれど、
それはあくまで二次的な結果だとも思うのだ。

僕達の毎日は、別に何にも無いくせに、何時も、何となく慌しい。

要するに、そういう事なんじゃないか。
目新しいモノだとか、貴重なモノ、刺激のあるモノ、他人が知らないモノ。
そういうモノは大切に扱われるし、僕達はそういったモノを追いかける事にも夢中だ。
しかしそれが形の無い「何か」に過ぎないってことは、あんまり意外と知られていない。

きっと皆、クリスマスが好きだ。本当は。
何故なら年々、季節感が薄れるくせに、決してクリスマスは消えようとしない。
只、何だか慌しい、何も無いはずの何かに追われることに、僕達は少しだけ忙しい。
目新しい何か。貴重な何か。刺激のある何か。他人が知らない何か。
目覚めたら枕元に置いてあると信じている何か。

だけどね、僕は思うんだよ。
本当に優しいことや、本当に嬉しいことってのは、
同じことの繰り返しの中に、他愛のない、当たり前な出来事の中に、
こっそりと隠れているんじゃないかってね。

だから今年も、同じことの繰り返し。
毎年読んでいる、この物語を、今年も読もうと思うのだよ。

古い物語。
今年仲良くなった友人達は、初めて目にする物語。
昔からの友人達は、何度も目にした物語。
ほんの小さな、同じ物語。


「ああ、またこの季節が来たな」


そう思ってもらえたら、僕は心底、嬉しいのさ。


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世間はキラキラしてる。

もうすぐクリスマスだってのに

私達には何てゆーか

余裕というか予定というか

ドキドキしてワクワクするような

要するに、そう、予感ってモンがない。



世間はキラキラしてる。

街灯に飾られた電飾とか

店頭に置かれた贈物とか

赤とか白とか金とか銀とか

あと緑とか

そういう色で代弁される雰囲気の真ん中で

小太りのじいさんが大きな袋を抱えて笑ってる。



世間はキラキラしてる。

もうすぐクリスマスだってのに

今日も学校の課題に追われてます。

そのくせ当日のスケジュールは空っぽで

どうせ一人ならとバイトをする事にした。

クリスマスケーキを売るバイトだ。

ベタだ。

別にいいじゃん。



世間はキラキラしてる。

私に関係ない場所でキラキラしてる。

キラキラしてるのを横目で眺めてる。

例えるなら何てゆーか

そうだなぁ

フレンチクルーラーに対するオールドファッション。



いや違うな。



とにかく私は

当日オシャレをする予定も無ければ

誰かのプレゼントに悩む必要も無い。

ひたすらに売るのだ、ケーキを。

ベタだけど。

いいじゃん。






キラキラしてる何かに対して。


私達がする事は二つだ。


眺めるか、欲しがるか。


あ、それからもう一つ。


諦めるか。












『ガッシュキラキラ』












「お前、ケーキ売んの?」



突然、タダオが話しかけてきた。

コッチは本日の課題に追われながら

忙しく乙女の思想にふけってるというのに。




「あ!そこ手つかないでよ!ガッシュ渇いてないんだから!」


「うっそ!マジで!」


「あぁあぁあぁあ!アンタ!タダオ!」




時すでに遅く。

タダオは塗ったばかりの

赤のアクリルガッシュの上に手を置いた。

ほんとコイツだけはありえない。


ガッシュってのは速乾性のある絵の具だから

すぐに乾くし、重ね塗りにも向いてる。

私の好きな絵の具だ。



「血!見ろよミサエ!血だ!血が!」


「ガッシュだよ、ただの」


「お前は何でそういう事を早く言わないんだ!」


「言ったじゃん。

 てゆーかアンタ、コレ提出、5時なんだけど」




タダオが手をついた部分は

べったりと手形がついてる。

タダオは白い模造紙に手形を押してる。




「おすもうさんみたいでしょ」


「いや、知らんけど」


「5時までって、あと30分しかないじゃん」


「そう、だからアンタと遊んでる時間は無いんです」


「よし、俺が手伝ってやろう、手形つけたお詫びだ」


「え、いいよ、別にそんな」


「いいから」




タダオは私の声を遮って絵筆を持つと

何色かのガッシュをパレットに出した。

人の話を聞かない奴だ。




「ココは何色?」


「えっと…ソコは白かな」


「オッケィ」




タダオは器用に色を塗る。

こう見えてタダオは絵が巧い。

ウチの学校でも飛び抜けて巧い。



タダオは素直な線を引く。

タダオは素直な色を塗る。

タダオの描く絵は好きだった。



タダオの絵はキラキラしてる。

本人はこんな調子なんだけど

タダオの絵はキラキラしてる。

時々どうしようもなく、触れたくなる。



「タダオ、アンタ、手、パリパリ」



さっき付けたばかりの

赤のガッシュが乾いて

赤い細かい粉が紙の上に零れた。



「ああ、ガッシュって乾くの早ぇからなぁ」


「ちょっ…アンタそれなんとかしなさいよ」


「なんとかって言われてもなぁ…ドンマイ!」


「ドンマイの意味がわかんない」



タダオが自分の手の平を眺めながら笑った。

左手の指先で何度か擦ったり掻いたりした。

それからまた素直に笑った。



「よし、じゃ引き続きバリバリ塗りますか!」


「あ!そこ手つかないでよ!塗ったばっか!」


「うっそ!マジで!」


「あぁあぁあぁあ!アンタ!タダオ!」




2回目。

時すでに遅し。

タダオは私が塗ったばかりの

白のアクリルガッシュの上に手を付いた。




「ありえない…」


「ですよね」


「てゆーかね

 色を塗った紙をペタペタ触るとか

 なんてゆーか絵描きとしてありえない」


「ドンマイ!気にすんな!」


「いや、気にしろよ!」


「ドンマイ!人はそうやって成長するんだ!

 俺もそうだった!ミサエ!ドンマイ!」


「いや、アンタがね」






世間はキラキラしてる。

もうすぐクリスマスだってのに

私達には何てゆーか

余裕というか予定というか

ドキドキしてワクワクするような

要するに、そう、予感ってモンがない。



何の予感?

例えば幸せになる予感だとか。

具体的に言うならそうだなぁ。

宝くじに当たる予感とか?



いやそんなんじゃなくて

多分、もっと、こう、身近な。

手軽なようで、手軽じゃない。

そんな予感。






そう、例えば、恋の予感。






「タダオ!最後ソコ、緑だよ!」






世間はキラキラしてる。


キラキラしてる何かに対して。


私達がする事は二つだ。


眺めるか、欲しがるか。


あ、それからもう一つ。


諦めるか。




だけれど覚えておいても

少しも損のない事実がある。

諦める前に知っておかなくちゃ。



私達は積み重ねてる。

色を塗るように積み重ねてる。

色とりどりの今の中から

たった一色を選んで塗る。

塗った色が積み重なって

やがて予感になる。

そういう事実。










「できた!完成!」


「やったー!おわったー!」


「タダオ!今まだ乾いてないからね!

 間違っても絵に触っちゃダメだよ!」


「え、何が?」


「あぁあぁあぁあ!アンタ!タダオ!」


「おぉおぉおぉお!オマエ!ミサエ!」




タダオが塗ったばかりの緑色に

そりゃもう思い切り手を置いた。

そりゃもう思い切りだ。




「アンタ!わざとやってるでしょ!」


「うん!」


「うん!?

 アンタもう!何でそんな事するの!

 ああもう5時じゃん!」





私はタダオの手をどかして

手形の付いた絵を取り上げると

急いで色を塗りなおし

タダオも一緒に塗りなおした。




「今度こそ完成!」


「やったー!おわったー!」


「もうダメだからね!次はないからね!」


「もう触らないよ。もう終わったもん」


「てゆーかさっき一回終わったじゃん!」


「だからさっきので終わったんだってば」


「意味わかんない…

 ま、どうでもいいけどさ…

 じゃ、提出してくる!」





私は教室を出ようと席を立った。


するとタダオが後で声を出した。




「な、ミサエ」


「何?」


「見てみ、コレ」




タダオは

3色のガッシュで汚れた手の平を

大きく開いて私に向けた。




赤色。



白色。



緑色。









「クリスマスみたいでしょ?」










世間はキラキラしてる。

まるで他人事のようにキラキラしてる。

私はソコに行きたくてウズウズしてる。

だけど興味の無いフリをしてこう呟く。

世間は、キラキラしてる。



だけど少しだけ違う。

きっと少しだけ違う。

違いはとても簡単だ。

たった一文字。






「それする為にわざと?」




タダオは答えなかった。

その代わりこう言った。




「クリスマス、ケーキ売るんでしょ?」




世間はキラキラしてた。

赤とか白とか金とか銀とか

あと緑とか

そういう色で代弁される雰囲気の真ん中で

小太りのじいさんが大きな袋を抱えて笑ってた。



世間はキラキラしてた。

だけど今はココに

例えば手の平の真ん中に

アクリルガッシュのクリスマスを連れた

私と同じくらいの背丈の奇妙な男の子が立ってる。






「別にいいよ、買いに来ても」


「外で売りまくってんでしょ」


「うっさい」




教室の窓の外。


雪が降ってる。


タダオが笑ってる。


釣られて私も笑う。




「来ても安くはしないけどね」


「うわ、何だよケチ」


「最後まで居ればタダになるかもね」


「仕方ねぇなぁ。最後まで居るよ、俺」


「ケーキ余ったらだけどね」


「どうせ余るよ。最後まで居るよ、俺」


「仕方ないなぁ」


「仕方ねぇなぁ」










例えば何の予感だっけ。


別に何だって良いけど。


とにかく予感は訪れる。


積み重ねた今のあとで。




絵を提出しよう。


教室に戻ったら


タダオにお礼を言おう。


それから何を話そうか。


そうだ。


どのケーキが余ったら嬉しいか、について。




変えよう。


たった一文字。


私は見方を変えよう。


ほら、とても簡単よ。








何処がキラキラしてる?








世界はキラキラしてる。







私達の世界は、キラキラしてる。
[ 2009/12/23 06:37 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

ある光

鉛4


――僕は、辰吉丈一郎というボクサーが好きだ。


先月、僕が【鉛色のサンデー】という作品で参加させて頂き、
何度もココの記事で話題に挙げて、皆さんにも投票を呼びかけていた、
アルファポリス『第2回青春小説大賞』の結果が、昨日、遂に発表されました。

それを僕は昨夜、仕事中に知りました。
この『青春小説大賞』で頂ける賞には『大賞』と『読者賞』がありまして、
皆さんに投票をお願いしていたのは、実は『読者賞』だったという事になります。
これは「期間中、もっとも読者投票が多かった作品」に与えられる賞でした。

応募総数は133作品。

『読者賞』は賞金10万円。
「開催期間中の最高ポイントの作品が受賞」と表記されていました。
僕の【鉛色のサンデー】は、読者投票では最終的に10位前後だったと思います。
とても有り難い得票数ですが、残念ながら読者賞に手が届く位置ではありませんでした。

『大賞』も同じく、賞金10万円。
「アルファポリス編集部にて選考」と表記されていました。
文章書きの賞レースとしては、実際は、こちらこそ本番だと思います。
僕は、この『大賞』に自分の作品が選ばれている可能性に胸を躍らせながらも、
至って冷静に、自分の作品が大賞に選ばれる資格などあるのかと、自問していました。
そして『結果発表』のURLを開いたのです。

そこには編集部からの総評として、このように書かれていました。

--------
■結果発表

賞名:アルファポリス「第2回青春小説大賞」
応募総数:133作品
開催期間:2009年11月1日~末日

選考概要:(原文ママ)
編集部内で大賞候補作としたのは「鉛色のサンデー」「ショコラと現実じゃない場所」「彼女の選択」「うちのお兄ちゃんを紹介します」「ドブネズミと捨て猫とノラ犬」「生徒会長はじめました。」「彼女と彼と0地点」の7作品。残念ながらそのまま出版ができると判断した作品はなかったが、議論の末、総合的に見てもっとも大賞にふさわしい作品であるとして「彼女の選択」を選出した。タイプの違う四人の女の子達の青春模様をそれぞれに起こる恋愛を通して描いた作品であり、全体的にこぢんまりした印象で物足りなさが若干残るものの、文章・ストーリーとも完成度が高いと評価した。そのほかでは「鉛色のサンデー」は独特のクールな世界を描いてとても魅力的であったが、感覚的に80~90年代的であり、いまの読者のニーズに合うか疑問だった。「ドブネズミと捨て猫とノラ犬」は冒頭の母親とのシーンが、非常に強いインパクトがあり期待させるものであったが、以降のストーリーが弱く残念だった。

※原文→第二回青春小説大賞結果発表ページ
--------

大賞候補作。
如何ともしがたい距離。

『大賞』は――【彼女の選択】。

僕では無かった。
僕の作品では無かった。

とても悔しかった。
悔しくて、悔しくて、悔しかった。

編集部の総評には、
僕の作品【鉛色のサンデー】の名が挙がっていた。
そこには「とても魅力的であった」とさえ書かれていた。
最終選考で選ばれなかった作品に対する、最大限の賛辞を頂いた、とも思った。
そして、だからこそ、悔しかったのだ。

あと一歩、届かなかった。

その一歩が、髪の毛一本分なのか、鼻の差なのか、
はたまた大股一歩分なのか、距離の違いは、解らない。
しかし解ることは、この一歩は、絶望的な一歩だ。
届かなかった一歩だ。

この瞬間。
僕は生まれて初めて、敗北したボクサーの気持ちというものを、
ほんの少しかもしれない、しかし、ほんの少しだけだけれど、本当に理解した。

テレビで何度も観た、
「応援ありがとうございました。」
「期待に応えられなくて、すみませんでした。」という光景。

別にボクサーに限った光景ではないかもしれないけれど、
僕は、敗北したボクサーが、敗北した直後に記者会見で話している、
あの強烈な(何と声をかけて良いのか解らぬ)光景を、瞬間的に、脳裏に浮かべたのだ。

どんな結果になろうとも、僕は書くのを辞めないし、
自分が世界と繋がる手段としての言葉を、大切に思うだろう。
結果が出る前、僕はそう言った。

結果が出た後、僕はこう思った。
あれだけ皆に応援して頂いたのに、申し訳ない。情けない。
賞を獲っておきたかった。どうしても。僕は形ある実績が欲しかったのだ。

あと一歩。
欲しかった結果を出せなかった。
応援してくださった方達に、申し訳ない気持ちで一杯だった。

しかし僕は、やはりこの時も、周りの人達に救われた。
あの総評を読んで、僕の周りは、何故か僕より「うれしい」と言ってくれた。

「名前を挙げてもらっている」
「これは本当にすごいことだ」
「一万円は当たらなかったけどね」

そんな風に、冗談めかして。

妻は総評を読み「色々間違ってないと思った。」と言った。
続けて「今回、大切なモノを見せて貰ったような気がする。」と言い、
最後に「うれしい。とてもうれしい。」と言った。

そうか、じゃあ良かった、と思えた。
この結果に、皆が喜んでくれたなら、僕もうれしい。
とても単純な考え方だけれど。

皆が喜んでくれる。
その為に作品があって、繋がりや、関わりがある。
僕が選んできた道は、多分、きっと間違ってなかった、と思った。
それが確認できて、良かった。
皆さんのおかげです。どうもありがとう。

倒れても、何度でも立ち上がるボクサーは、やはり格好良いと思う。
僕が、辰吉丈一郎というボクサーが好きなのは、ボクシングが好きで、どうしても好きで、
好きなのが当たり前で、当たり前だから手放す理由が見当たらずに、嗚呼また立ち上がる、
その愚直で、純粋で、痛々しいまでの真っ直ぐさを、目で追ってしまうからだ。

どんな結果になろうとも、僕は書くのを辞めないし、
自分が世界と繋がる手段としての言葉を、大切に思うだろう。

僕の執筆と、ボクシングを一緒にするのは、おこがましい。
しかし何度だって立ち上がろうと思う。打たれるのは痛く、負けるのは怖いが。
それでも僕は、僕の想いが文字に乗り、誰かに届いた瞬間が、最高に、最高に好きだから。

期間中、鉛色のサンデーに投票してくださった方達に、
ほんの少しでも興味を持って、お読みになってくださった方達に、感謝します。
あらゆる場所での書評・応援・紹介してくださった方達に、改めて感謝を。
結果を出せなくて、すみません。どうもありがとうございました。

最後に、このような機会を設けてくださり、
全ての参加作品に対して、真摯な選考をしてくださった、
大会主催者『アルファポリス』に、深く感謝します。
大賞作品【彼女の選択】を執筆なさった、さくら様、心からおめでとう。

――2009年3月8日。
復帰第2戦を7回TKO負けで落とした辰吉丈一郎は、
試合後、こう言った。


「俺はまだ終わっとらん」


その何かは、常に満ちている。
世界中に満ちてはいるが、見付けるのは難しい。
僕が見付けた何かならば、僕の何かだ。しかし、誰かと分かち合う事は出来る。
何度でも、何度でも、倒れても尚、立ち上がろうとして止まぬ、透明な何か。
例えば魂。
それが今、僕の中に、目の前に、在るとして。
それを僕は、こう呼ぼう。

ある光、だ。
[ 2009/12/16 12:22 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)

アストロノウツ・セイ・アイ・ノウ

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Bruit & Noise. Yes. Hello?

I am VOSTOK8.
I did like the Mars before.
But, I arrived at the Saturn now.
I did want the Jupiter before.
I did live in the earth before.

How about your life?
Did you obtain a perfect healing & relief?
You believed that there was a planet like such a joke
somewhere in the vast universe.

Somewhere in the vast universe.
Somewhere in the vast universe.

Please believe yourself.
Please believe the place where you live now.
My mind is connected with your mind.
I feel a miraculous miracle now.
in the vast universe.

I fly to the Neptune through Uranus.
I will die in Pluto at the end.
If you fly with me, my life is beautiful.
Do you know where a perfect healing and the relief are?

Astronauts say "I know."

--------
【訳詩】

イエス ハロウ?


今日も飛んでいる

僕は火星が好きだった

だけど今 土星にいる

木星が好きだった頃もあったな

地球に住んでいた頃は


君の調子はどう?

絶対的な安心とやらは もう手に入れた?

こんな広大な宇宙の何処かに

そんな嘘みたいな惑星があると信じてたよな


こんなに こんなに 広いのにね


君は 君を信じろよ

君が 生きている 今 をだよ

僕と君が繋がるならば 奇跡的な奇跡だよ

宇宙は本当に 広大なのだもの


天王星を経て 海王星へ 最期は 冥王星へ

もしも もしもね 君と一緒ならば 素敵だな

絶対的な安心は 何処にあるのか 知ってるかい?


ああ 大丈夫 知ってるよ
[ 2009/12/13 12:35 ] 詩歌 | TB(-) | CM(-)
目次
★説明




★短編






★長編小説














★短編






★お笑い








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