VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2011年02月

ガムを噛んだらゴミ箱へ

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さて、月曜日。
僕の月曜日といえばラジオだ。
朝早く起きて、原稿を打ったり、曲を選んだりする。

フワフワと適当に喋っていると思われるだろうけれど、
実は意外と、準備に命をかけている。

何回やっても曲を決めるのは時間がかかる。
番組中にかける曲は、全て自宅のCDを漁って、自分で決める。
あ、アシスタント・ちゅいた君の「ヴィジュアル・ショック」の曲以外は。

なので部屋の床には、選ばれなかったCDが散乱する結果になる。
FMといえども夕飯の準備時の夕方18時からの番組でもあるので、
あまりゴテゴテした洋楽をかけまくるのは合わないかもしれない。
それに一曲目からバラードは何か違うよな、などゴチャゴチャと考え、
最終的に一曲を選ぶ。選ばれた曲は番組開始5分で役割を終える。

あちらもこちらも消耗戦だな、と思う。
音楽をやってる人は偉大だ、と思ったりもする。
この曲を生み出した人は偉大だ、と少し大袈裟に思ったりもする。
たった5分に命かけてんだもん。

さて、今日の準備は終えた。
これだけ準備しながら、どうせ本番では噛むんだろう。
己の滑舌の悪さが恨めしい。
しかし愛おしい。

今日も喋りに行ってきます。

むしろ、噛みに行ってきます。

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【Orange Moon Re:Light】
Monday 18:00~19:00
Radio-D FMドラマシティ 77.6MHz
MAIL:ore@dramacity.jp

■インターネットから聴く場合
IEをお使いの方は……
IE以外をお使いの方は……
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本日のテーマは『感謝』。

感謝にまつわるエピソード他、
番組に対するメールもお待ちしてます。
ore@dramacity.jp まで。

お時間あれば、お付き合いくださいな。
[ 2011/02/28 13:51 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)

やり直せる事に、僕等は少し慣れすぎてんだ。

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さて、本日はラジオの日。

そろそろスタジオに向かうのですが、
ギリギリまで曲を決められなくて、少し焦りました。
まぁ、迷うだけ迷いながら、流したら5分であっさり終わるのですが。

昔から「消耗する」という感覚が嫌いで、無駄な事が嫌いだ。
どうでもいい事さえ作品に昇華したい・形に残したいという欲が、
きっと他人よりも強いタイプの人間だと思う。

そんな僕が、今こうして取り組んでいる「週一回のラジオ」という場所は、
形に残さない、その場限りの勝負で、失敗したら、もう二度とやり直せない。
もちろん落胆し、反省し、次に繋げる為に学習するが、失敗はやり直せない。
これが驚くほど新鮮だ。

瞬間的な、瞬発力の、勝負。
やり直せる事に、僕等は少し慣れすぎてんだ。
やり直せず、形に残せないから、手を抜けないモノもある。
僕の命も然り。

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【Orange Moon Re:Light】
Monday 18:00~19:00
Radio-D FMドラマシティ 77.6MHz
MAIL:ore@dramacity.jp

■インターネットから聴く場合
IEをお使いの方は……
IE以外をお使いの方は……
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本日のテーマは『健康』。

健康にまつわるエピソード他、
番組に対するメールもお待ちしてます。
ore@dramacity.jp まで。

お時間あれば、お付き合いくださいな。
[ 2011/02/21 16:04 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)

札幌デジタルパメラ

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札幌で活動している吉本芸人・ひわたり太一君と、
【札幌デジタルパメラ】というポッドキャスト番組を始めました。
何だかよくわからんタイトルですが、内容はちゃんとしてますので、ご安心を。

僕は「詩人・金城光亮」としておしゃべりさせて頂いてますが、
芸人と詩人が話したら何が生まれるのかって、ちょっと気になりません?
まぁ、正解はポッドキャスト番組が生まれただけなんですけど。

ひわたり太一君は、知る人ぞ知る、
「札幌吉本のツッコミに、この男あり」
と呼ばれてるような、呼ばれてないような人。
奇妙なご縁で、ご一緒させて頂いてます。

こっそり始めて、こっそり楽しんでいたんですが、
せっかくやってるし、こっそり報告しておこうかな、と思った次第です。

毎週月曜に放送中の私のラジオ【Orange Moon Re:LIGHT】は、
夕方18時からなので聴きたくても時間帯的に聴けないという方でも、
……いやまぁ、そんな人はいないかもしれませんが、まぁ仮にいるとしてね、
そういう人でも、ポッドキャスト番組なら、24時間どこからでも聴けますから。
DLしたらiPodで聴けちゃいますから。……まぁ、そんな人はいないかもしれませんが。

とにかく、ひわたり太一君はですね、プロの芸人、吉本芸人ですから。
喋りの方は達者ですから。元・本格派漫才芸人ですから。テレビにも出てますから。
ラジオ番組としても、しっかりと面白い仕上がりになってるんじゃないでしょうか。
若干、私個人の番組よりも熱を入れて宣伝しているような気もしますが。

という訳でね、すぐ聴けるので、もし良かったら聴いてみてくださいな。
ちなみに現在、第二回まで公開中です。

第一回放送では「AKBの握手会に行った話」や「めちゃイケオーディションの話」など、
中々聴き応えのあるトークが目白押しでございます。
興味がございましたら、ささ、どうぞ。(座布団を用意しながら)

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【札幌デジタルパメラ】
出演:金城光亮/ひわたり太一
札幌の芸人と詩人が繰り広げる
予測不能なポッドキャスト番組!
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という訳で、話は変わりますが、明日から東京に行ってきます。
東京の民達よ、東京人よ、出迎えの準備は出来ておるか。
よろしく頼むぞ。東京よ。その辺のところ任せたぞ。
空港で泣いてるのが、恐らく私になりますので。
そこんところ、よろしくお願いします。
[ 2011/02/18 00:56 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)

Fe(=10)

例えば、二十歳の頃。
頭ん中でこねくり回した事柄を友達の前で披露して、
「へぇ、そんなに色々考えてるんだ……」なんて感心されて。
だけど歳取った今、同じ事柄を当時の自分と同じ年頃の子の前で話したら、
それって単なるオヤジの説教なんだよね。

僕は、その答を知ってるよ。
君は、その問の前で立ち止まっている。
だけれど教える事は出来ないし、教えたところで理解はされない。

自分で気付かなければ答にはならないし、
その答さえ、常に変化している。今も変化している。
そして世の中は、元々ずっとそういう風に回ってきたのだとも思う。

自分の考えを語るということを、気が付けばしなくなった。
何も考えなくなった訳じゃないが、わざわざ人前で語るほどの事は少ない。

自分が何を考え、何に怒り、何に笑い、何に厭きれたのかを、誰かに知って欲しかった。
少なくとも僕は、ほんの数年前まで、そうだった。
しかし自分が世界を救える訳では無い事や、世界を変えられる訳では無い事に、
僕等は何となく気付いていくんじゃないかな。何となくだよ、本当に。
諦めでも無く、只、何となく気付くんだ。


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ジョイサウンドとダムの違いなんて聞かれても、僕には関係ない。
ジャイアンツとタイガースのどちらが好きかと聞かれても、僕には関係ない。
サブ・カルチャーの素晴らしさを力説する奴ほど信用ならないモノは無いし、
かといってオリコン・チャートを追いかける奴とは友達になりたいと思わない。

肥大した自我が可愛いのは二十五歳までだ。
知ってるよ。あとは単なる中年予備軍の成熟できない戯言に過ぎない。
同級生だった女達は、本日も田舎町のカラオケで女子会を開き、憂さを晴らしている。

僕に出来る事は何だったのかって、今でも考えるよ。
それを今やれ、今すぐに、とも思う。ところが僕には出来ない。
出来るはずだと思いながら、結局は何もしないし、結果、何も出来ない。

偉そうに格言めいた愚痴を溜め込むばかりで、僕に出来る事といえば、
同級生だった女達のルームに、色鮮やかなカクテルと、ポテトを運ぶ事くらいだ。
カシスオレンジ・ワン。ファジーネーブル・ツー。フライドポテト・オーケー?

「今日、早上がりしたい」

ピーチ・リキュールにオレンジ・ジュースを注ぎながら、鳴島音が言った。

「何で」

軽く三周、ステア。
安いオレンジ・ジュースは、色合いで判る。
音が氷を放り込むと、オレンジ色に乱暴な音色が混ざった。

「明日、ライブ打ち合わせ」
「うん」
「ポテト、そろそろ揚がる」
「うん」

グラスを三杯、トレイに載せ、片手で持ち上げる。

今ならば出来る事は、今だから出来る事だ。
パスワード染みた日常を積み重ねている内に、僕は正しさとは何かを知った。
だけれど僕の知った正しさが、全てにとって本当の正しさなのかは知らない。
僕が知ったのは「このパスワードで扉が開く」という事実だけだ。

たまたま開いてしまった扉を眺めて、それが正しいと信じる姿は滑稽では無いのか。
偶然、扉が開いた部屋に堂々と入り込み、さも正解者らしき顔を自堕落にぶら下げ、
不正解を積み重ねる社会人を発見するのに、さほど苦労はしない。

音は年下の、バイトの先輩だ。

「夢で食ってくの、大変なんだよ」
「へぇ、何が」
「食えた瞬間から、それが夢じゃ無くなるのが」

言葉使いは粗雑だが、外見上は誰が見ても女だ。
食えた瞬間と言うが、正に今バイトをしているくらいで、夢で食えている訳ではない。
ライブの打ち合わせと言うけれど、何のライブなのかは訊いた事が無いので知らない。
恐らく鳴島音という名前からして、音楽だとは思うが知らない。

賑やかな色のカクテルの横に、揚げたてのフライド・ポテトを乗せる。
伝票の半券。19号室。同級生の女達のルーム。
「何やってんの、早く」
音に急かされ、僕は歩いた。

迷路のような通路にはとっくに慣れたし、
左右の扉から漏れてくる、見知らぬ下品な爆音にも慣れた。
防音対策? まず自分の耳と自分のボリューム調整力に文句を言えよ。

19号室の前。扉。聴こえてくるのは四、五年前の流行曲。
曲名は知らない。歌ってる奴の名前は忘れた。サビの歌詞だけ覚えてる。
確か、「何度でも~叶うさ~夢は~」――女達の合唱が聞こえて、僕は扉を開けた。

「失礼します」

ルームは薄暗く、爆音に紛れて僕の声は聞こえない。
女達は歌とモニター画面に夢中で、僕の存在にさえ気付かない。
サビが近付き、また合唱が始まった。「何度でも~叶うさ~」――夢が?

くだらない。
トレイを持ったまま軽く膝を折り、
枝豆の散乱したテーブルの隅に、新しいカクテル・グラスを置く。

「遅い」

騒音の隙間から、放り投げるような声。

「え?」
「もっと早くオーダー持ってきてよ」
「あ、」

同級生は、相手が僕と気付かぬ様子で、酒に酔った顔を近付けた。
暗がりに点滅するカラオケPV映像。聴衆は意味も無くタオルを回転させる。
アルコール臭い息。――「はい、申し訳ございません」
空のグラスを回収しながら、小さく唇を噛む。

「カシオレ、すぐ持ってきて、どうせ遅いから」
「飲み放題はグラス交換――」
「飲むから」

立ち上がり、頭を下げて部屋を出る。
反論? 無いな。高校生のアルバイトじゃあるまいし。
理不尽な客からの要望に、いちいち腹を立てるなんて馬鹿の作法だ。

彼女達の名前は何と言ったかな。
同級生という事は覚えているけれど、名前は知らない。
多分、忘れてしまった。初めから覚えてなど居なかったのかもしれない。

「ポテト、そろそろ揚がるって言ったじゃん」

厨房に戻ると不機嫌そうな声で、音が言った。

「ごめん、先にカシオレ」
「何それ」
「19号室の追加オーダー」
「ポテトは?」

焦げたポテトの山を乱暴にゴミ箱に棄てながら、音は僕を見た。
僕は目を合わせなかった。カシス・リキュールにオレンジ・ジュースを注いだ。
真っ赤に透き通っていた赤が、オレンジ色に侵食されていた。僕は只、それを見ていた。

「言いたい事あんならさ、言いなよ」

グラスに氷を放り込み、軽くステアした。
文句? 反論? 無いな。高校生じゃあるまいし。
思い通りに進まない物事に、いちいち腹を立てるなんて馬鹿の作法だ。

「君は棘を失くしたのだな。
 良い事なのか、悪い事なのか、僕には解らない。
 他人を傷付けるだけの棘ならば、早い内に失くすべきだ」

音が言った。

「しかし忘れないように刻み付けたかった記憶は、
 あの後悔は、どう処理するのだ」

リズムが聴こえるような言葉だった。

「綿毛のように飛ばせば良いさ」と、音は言った。

「何それ」
「別に、何だっていいじゃん」

音は冷凍されたままのポテトを高温の油の中に入れた。
瞬間的に溶けた温度は泡となり、油の中で跳ねた。
僕は新たなカシス・オレンジをトレイに乗せた。
あまり綺麗な赤色では無いなと思った。

記憶や後悔を(それに伴う責任を)僕達は忘れるだろう。
多分、忘れてしまった。初めから覚えてなど居なかったのかもしれない。
しかし、まだ動いている、胸の奥で。
動く。蠢く。囁く。

また静かに、此処で騒ぐ。
[ 2011/02/17 02:06 ] 小説 | TB(-) | CM(-)
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