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月別アーカイブ  [ 2013年08月 ] 

月光

もがいているうちに

それはあたりまえのことになった


緩やかに丸めた紙ならば

折り目さえ付かないまま

緩やかに曲がる紙になった


それを片目に当て

望遠鏡の代わりに

僕は 空を眺めた


朝は 音もなく昼となり

昼は 音もなく夜となった


熱は 冷めた

だが 光はみえる まだ


月が 昇る

冷たく燃える


夜の淵

滑らかに昇るとも

しかし誰も起きず


研ぎ澄ませるならば 今だ

誰も 僕のことなど知らぬ


声が 響く

届く宛もなく


夜の淵

高らかに叫ぶとも

しかし誰も居らず


喰い散らかすなら 今だ

誰も 明日に備えている


熱もなく

音もなく

大した意味もなく

才能もなく

注目なんてされず

みずから輝くこともできず


あれは誰の光だ

あれはお前の光ではない

お前の光ではないが

お前を照らすには十分だ








月に吠える








月は観覧車みたいに

夜を滑るように回転して

僕は丸めた紙の望遠鏡を

痕が付いた片目から離して


ギラギラと

太陽が近付き

やがて世界は

騒がしく目覚める


重力が

僕と 僕の日常を

ほんの少しだけ 持ち上げて

緩やかに 固く 均衡点で 繋ぎ合せる


あたりまえみたいになった世界に

馬鹿みたいに小さな 銀色 を与える

これ以上冷めることのない 銀色 を与える
[ 2013/08/27 11:50 ] 詩歌 | TB(-) | CM(0)

休日

時間が足りないんだ

どうにも一日が短くてさ 嗚呼

太陽が沈んで 次の瞬間 また昇って


君が居なければ もっと自由に

あんなことや こんなことも なんて


眠い目をこすって 

目覚めてもいなかったくせに


君が居ると 何も出来ないと思ったのに

君が居ないと 何をすれば良いのか 解らないや

僕のベッドはからっぽで 雑音と無音は やけに静かで


何処にも行く予定はないよ

あんなに何処かに行きたかったのに


時間が減らないんだ

どうにも一日が長くてさ 嗚呼

太陽が沈んで 中々 まだ昇らなくて


君が居なければ もっと自由に

あんなことや こんなことも なんて

眠い目をこすって 目覚めてもいないくせに


近頃じゃ 嫌煙家だらけで

僕はもう 深呼吸さえ出来ないで

片手に火種を抱えたまま 持て余したまま


読みたい本もあったけれど

観たい映画もあったけれど

聴きたい曲もあったけれど


目を閉じれば 嗚呼

僕の日常から 君の味がするよ

噛み尽くした 萎れたガムみたいに


僕は一人 君を搾り出して

唾液交じりの 蜜を集めるみたいに


太陽は昇るよ きっと そのうち

搾り尽くした 真っ赤な果実みたいに
[ 2013/08/24 22:07 ] 詩歌 | TB(-) | CM(0)

風と空中

僕はもう

喋るのも忘れて

食べるのも忘れて

比べるのも忘れて

眠るのも 忘れて


自由に飛んで

跳ねて

飛び 跳ねて


手を伸ばして

また 跳ねて


自由は楽しくて 悲しかった

君が居ないのと 同じくらいに


何に 懸命で在るべきか

誰に 懸命で在るべきか


今に 懸命であるべきだ

今と 未来に繋がる今に


過去には誠実で居よう

自分に 出来得る限り


嘘が無く

虚勢も張らず

誤魔化しも無いように


僕は 君が好きだった

君のことばかり 考えていた


嫌いになった日は無くて

棄て去った覚えもないよ


だけれど僕は今日

君の歩き方ひとつ

思い出せやしないんだ


重さや 高さや 速さや

彩りや 昂りや 華やかな鼓動や

匂いや 燻りや 穏やかな慕情を


それで


僕はもう

喋るのも忘れて

食べるのも忘れて

比べるのも忘れて

眠るのも 忘れて


君のこと忘れて

君のこと忘れて

君のこと忘れ果てて

君のこと考える


一直線に切り裂く風の

硬さと 匂いと 冷たさを

自分のことみたいに 僕は知っていた


あの日 僕等が

どんな風に飛んだのか

それとも 飛べなかったのか

その日の 温度と速度は どうだったのか
[ 2013/08/02 01:29 ] 詩歌 | TB(-) | CM(0)
目次
★説明




★短編






★長編小説














★短編






★お笑い








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