VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2014年10月

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ムーヴ・オーヴァー

時代遅れのロックン・ロールが鳴り始めて、僕達は其れを笑っている。
君の名前なんか忘れてしまいたいけれど、何度でも思い出してしまう。

「つまんないな」

血液が沸いて身体が踊るような。
何時までも此処に居てはいけないような。

衝動が追い掛けて、追い付いて、気が付けば追い越している。
狂ったリズムが僕を追い越していくけれど、其れも何時ものことだろう。

僕が存在しなくても君の日常が平穏に続くだろうという予想と
予想に基づく事実を痛感するのが、本当に厭だ。

その癖、君に求める言葉や、君を求める感情が大きくなっていく僕と
其のような僕の感情を抑制できない僕を痛感するのも、本当に厭だ。

「つまんないね」

無秩序に見えて、実のところ何ひとつ狂ってはいない。
君は僕を置いて、きっと何処かへ行くだろう。
僕達は記憶を追い越していくだろう。

時代遅れのロックン・ロールが鳴り始めて、僕達は其れを笑っている。
君の名前なんか忘れてしまいたいけれど、何度でも思い出してしまう。
そして――

「きっとすべて忘れちゃう」

君は何処へ行くのだろう?
僕がいなくても、其のベッドを温めて、今日と変わらずに眠れるのか。
其れとも別のベッドを整えて、まるで今日とは違う夢でも見るのかね。

心音は僕を越えない。

正しく脈を打っている。
時に速く、時に緩やかに、しかし正しく。
恐らく僕はこの上なく誠実な感覚の中で、君を汚していくのだろう。

真白に。
真赤に。
真黒に。

正しく脈を打っている。
其れは僕の中で、狂うこともなく、犯すこともなく、途切れることもなく。
嗚呼、君を正しさと美しさの中にパッケージして、僕は此処から立ち去りたい。

立ち去る前に、やることがある。
其れが何なのかを、何だったのかを、僕は確かめている。
そしてまた衝動が僕を追い越して、僕は感情と共に、其れを追い掛けている。

時代遅れのロックン・ロールが鳴り始めて、僕達は其れを笑っている。
君の名前なんか忘れてしまいたいけれど、何度でも思い出してしまう。

「ああ、ほんと、つまんないねぇ」

誰だったっけ、君は。
よく覚えているよ、しかし思い出せない。
忘れ果てた先で、輪郭を失った声だけが聞こえるよ。

其の声をなぞって、透明な輪郭を描く。
繰り返す。
追い掛けて、追い付いて、追い越して。

今から僕達は、何かを始めるだろう。
其れとも気付かない真似をしているだけで、本当は始まっているのかも。

心音だけが、まだ、僕達を越えない。
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[ 2014/10/04 01:49 ] 小説 | TB(-) | CM(0)
目次
★説明


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