VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  2015年09月
月別アーカイブ  [ 2015年09月 ] 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

message in a bottle.

それで 僕は 路上の広告を ずっと眺めていたんだ

煙草を吸おうと思ったけれど とうの昔に棄てたんだった

ポケットの中で空まわりした手で 掴むべきモノは 何だったっけ


巨大な極彩色の電光看板は 華やかな存在感と

視認性を高めた 色と 位置と 感覚で

人の流れを誘導している


本当に欲しかった物も

本当に行きたかった場所も

すっかり後まわしで お買い物している


ああ やがて ボクラは忘れてしまうだろう

忘れたことも忘れて 忘れ尽くして それも忘れて

何かを失くしたような気持ちだけを たまに 思い出して


このままボクラは 何処にも辿り着かず

やがて 何処かに辿り着いてしまうだろう

水面を漂い続けた 古いボトルメールみたいに


打ち付けられた波の花に

滲んで読めなくなった砂まじりの文字に

繰り返されるように繰り返す 波音みたいな心音に


また 錆びた電光看板が 点滅している

一文字だけ消えてしまって 誰にも気にされずに 


星空でも見上げたい気分だけれど

こんな無数の電飾の中で 目を凝らしても

先刻から 人工的な光が 目に焼き付いて離れない


そのまま 目を閉じたまま

とうの昔に棄てた煙草を

空まわりした手の中で


吸い込み

吐き出す

白い糸


ほら ボストークが飛ぶよ

季節はずれの 打ち上げ花火みたいに


音もなく 宛もなく 這うように 泳ぐように

悲しむように 慈しむように 楽しむように


そのまま 目を閉じたまま

無酸素の空中へ 新しいボトルメールを一通

光が絶えぬならば 此処もまた 宇宙の水面だ


君ならば飛べるよ

本当に欲しかった物も 行きたかった場所も

ほんの束の間 宙に赤く点る 火種の温度も

もしも思い出せたならば いつか拾いに行こう
スポンサーサイト
[ 2015/09/24 01:41 ] 詩歌 | TB(-) | CM(0)
目次
★説明


★長編小説














★短編






★お笑い








Blog Search
QR CORD
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。