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神田駅 あとがき中編



※この「あとがき」は【神田駅】を書く事になった経緯を、
 わざと物語的に書いた、小説風ドキュメンタリー系あとがきです。
 誇張した演出・表現が多々ございますが、どうぞ気楽に読んでください。
 これは小説ではありません。
--------

【神田駅】は最終的に、全11話に及ぶ物語になった。
さて「コラボ、コラボ」と書いてはきたが、一体どの辺がコラボだったのか?
この点は、最後まで読んでくれた人達も、よく解らなかったかもしれない。

僕が三年ほど前に書いた【駅にまつわる物語】という作品がある。
※⇒【駅にまつわる物語】

それは非常に短い、五分もあれば読めるような文章だ。
当時の僕が好んでいた、散文的で、悲劇的な、短い物語だった。
【神田駅】という作品は、この【駅にまつわる物語】が元になっている。

覚えておいてくれ、それが出発点だ。


【神田駅】 あとがき中編


一緒に何かしてみたい、とはいえ、何をしたいかは決めていなかった。
数分歩いて見付けた店で、温かいお茶を飲みながら、何をするか考えた。

「作品のショート・ムービーを作ってみたらどうだろう?」

自分の作品を映像にする、というのは、作り手なら誰でも夢に見ると思う。
僕もそうだった。
だけれど、そうする方法はよく解らなかった。
だから、そらさんの提案を聞いた時も、僕は少し漠然とした気持ちだった。

映像かぁ。
まぁ、映像になったら良いなぁ。
だけど、どうすれば良いのかなぁ、カメラ持ってないしなぁ。

「イメージが湧きそうな作品ある?」と訊かれた時に、
真っ先に何となく思い浮かんだ作品が【駅にまつわる物語】だった。
僕はうろ覚えの記憶を掘り起こして、この作品の内容を説明してみせた。

電車が……走っていて、窓の外を電柱が通り過ぎて……ガタン、ガタン。
女の子が座ってる、女の子と呼ぶには、少し大人になりすぎてはいるが。
女の子は中学時代の同級生を思い出している……その同級生は……。

「いいね、それ、すごくいい」

温かいお茶を飲みながら、そらさんが言ったので、僕は安心した。
安心したというのは変だけれど、面白くないと言われなくて良かった。
確かに僕自身は、頭の中にある映像を文字にしている訳だから、
僕の中にあるイメージを共有できたら素晴らしいと思ったけれど、
それは中々難しい事なのではないかな、と思っていた。

「今の場面さ、こんな感じで、こんなイメージだよね」

ところが、そらさんの話を聞いて、僕は何度も「そうそう!」と頷いた。
自分の頭の中の風景を、視覚的に共有出来る事の、何と素敵な事か。
そらさんが「じゃあ映像にするのは、私に任せてね」と言った。

数日後、完成したPVを見せてもらった。
あまりに見事な出来栄えで、僕は何度も繰り返し眺めた。
それは【駅にまつわる物語】の為に作製されたショート・ムービーだった。

さて、ここまでの時点で、僕は何もしていなかった。
一緒に何かをしよう、と声をかけてくれたそらさんに対して、
何かをしてもらってばかりで、ここまで僕は特に何もしていなかった。

「このショート・ムービーは好きなように使ってね」と言ってくれたので、
僕は(今、現在も)それを好きに使わせてもらおう、と思った。
正直なところ、今、この瞬間も、僕はそらさんを登場人物に見立てて、
小説風な文章で事の顛末を描いているけれど、それを正直なところ、
そらさん自身がどう思っているのか、申し訳ないけれど僕は知らない。

もしかしたら、あまり表立って登場するのは厭かもしれないし、
事細かに描かれるのも迷惑かもしれないのだけれど、僕は書いている。
だけれどそれは、別に「そらさん、すごくいい人なんですよ!」だとか、
「僕達、コラボしたんですよ!すごいでしょ!」と言いたい訳ではなくて、
多分、僕の【神田駅】という作品にとって、コレが一番良い方法なのだと、
僕が信じているから、そうしているのだと思う。

良いと思ってやっている事が正しいとは限らない。
この「あとがき」を読者の人達がどう読むのかも、よく解らない。
よく解らないけれど、出来るだけ正直で素直な言葉で、僕は伝えたい。
何を伝えたいか?
僕が何を考えながら、この作品を書いたのか、という事実をだ。

そんな事を伝えられても、皆の生活は少しも豊かにならない。
何処かの国の戦争が収まる事も無ければ、誰の腹も満たされない。
雨が突然、晴れになったりもしなければ、誰かの給料が上がる事もない。
おおよそほとんど全ての人達にとって、僕が何時、何処で、何を考えて、
どんな想いで作品を書いていたとしても、まるで関係の無い事だ。

それでも僕は、あらゆる手段を使って、吼えたいのだ。
俺の声を聴け、と。
ほんの少しくらい、俺の存在に気付いてくれても良いじゃないか、と。

そして、読め、と。
お前の記憶に俺を残してくれ、と。
それだけの価値がある記憶を、植え付けられる保障は無いが、
それでも俺の声を聴け、と言っている。

ショート・ムービーが何度でも、繰り返し、再生される。

今の僕だからこそ出来る事を、僕はやってみたかった。
今の僕だからこそ書ける【駅にまつわる物語】を書いてみたかった。
当時の僕が好んでいた、散文的で、悲劇的な、短い物語ではなくて、
今の僕だからこそ書ける【駅にまつわる物語】があるはずだと思ったんだ。

それは自分が文章を書き続けなければならない目的や理由が不明瞭で、
それでも今まで書き続けてきた僕がいて、色んな出会いと別れがあって、
嗚呼もう一秒後にも死んでしまいそうな気分になって、それでも生きてる、
今の僕だからこそ書ける物語なのではないか。

そらさんが【駅にまつわる物語】の為に作ったショート・ムービー。
今度は、僕が【ショート・ムービー】の為に、新しい物語を書こうと思った。

それは、まったく新しい物語ではない。
それは、過去に刻まれた、僕の記憶にぶら下がった物語を基にした、
過去の記憶を経た、現在の記憶の為の物語だ。
延々と続く記憶の物語だ。

それが【神田駅】と名付けられた、新しい物語だった。
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[ 2007/08/30 18:24 ] 長編:神田駅 | TB(0) | CM(0)
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