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cloudy liquid



シンプルな物事が一番強いと、僕は知っていた。
知っていたのに、どうしてこうも簡単に失ってしまったのだろう?
裸の君を抱き締めて、その瞬間に、その温度で、生きてる意味を簡単に確認できたのに。
今じゃそんなモノ、何の手がかりにもならない事を、僕は知っている。

息を深く吸い込むだとか、違法な薬を飲み込むだとか、手首を切るだとかの手段でさえも、
僕の中の不安定な感情を満たしてはくれない。それで僕は七転八倒、抱腹絶倒な手段を生み出して、
蜘蛛の巣のような世界の意図を知りたがっているという訳だ。君は僕を必要とするだろうか。
必要としないなら。

そんな世界は崩れ去ってしまえば良い。
僕が存在する意味が解らない世界ならば、僕を必要としないならば、白いミルクを垂れ流した液体を、細いスプーンで掻き混ぜるように、混ぜ返して何も解らなくしてしまえば良い。僕は一人では生きていられないのだ。なのに。生きなければならないならば、何の為に。それで僕は混ぜ返した液体の中から、一秒後にも泣きそうな情けない顔を晒して、白いミルクを探している。もう遅い。取り返しの付かない事をしてしまった。

白いミルクは消えた。否、消えてはいない。
混ぜ返した液体の中に、それは今も密やかに存在して、僕が気付くのを待っている。
それで僕は、それに気付いた。今更になって、蜘蛛の巣の意図を知る。そして、ようやく、シンプルに。

世界は僕を必要とはしない。
初めから、終わりまで、一秒たりとも、僕を必要とはしない。
僕は一人だ。初めから、終わりまで、一秒たりとも、誰も僕にはなってくれない。

君の裸が見たいな。

僕では無い、君の裸が見てみたい。指で撫でたら、一体どんな声を出すだろう。
僕は嘘吐きだ。それでも世界の意図を知りたがっている。一人は嫌いだ。だから君に触れたい。
それでも、もしも君が消えるなら、僕は黙って、あの液体を飲み干すよ。そして飲み干した事を、覚えている。

世界に必要とされない世界の中で、本日も僕は、世界を必要とする。

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[ 2008/07/06 09:10 ] 小説 | TB(-) | CM(-)
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