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Nicotine



冷静な僕の魂よ。僕を奮わせてはくれないか。
語彙不足だよ、僕は。そして何にも期待する事が出来ないんだ。
派手なスポット・ライトなど浴びなくても良いから、無酸素の花束を僕にくれよ。
感電した気分でさ。それでなくとも僕達は、本日も憂鬱さと退屈さばかりを競い合っている。
何にも安心する事が出来ないよ。本当のトコロは誰一人、憂鬱さと退屈さを持て余してないんだから。
それで僕は終了五分前に白紙の解答用紙に気付いた馬鹿な学生みたいな顔してさ、周りを見渡してるんだ。

「それで君は、人生に絶望しているの?」

何を今更。ところで今の声は誰だ?
何て事は無い、何時ものオルゴールだ、蓋を開けてみれば。
社会は禁煙化を推し進めているが、君の住む町はどうだ。どうにも暮らし辛い世の中だ。
煙を眺めながら君を思い出す、センチメンタルな時間すら、侮蔑と嘲笑の対象なんだぜ。
僅かな休憩時間に三本の煙草を連続的に吸い込む人を見たよ。僕達にはニコチンが不足してるのさ。

緩やかなロックン・ロールを聴いている気分だ。
大した依存性も無いはずなのに、依存した気分に浸っているだけだろう。
アンタには解らんよ。止めようと思えば何時でも止められるのだろう? その命と同じ事さ。
アンタと誰かの恋愛関係と同じ事さ。アンタと誰かの信頼関係と同じ事さ。何時でも止められるのだろう?

それでも止めたくなんて無いんだよ。君を好きだって言いたい。
情報と計算は別問題だよ。欲望と理屈も別問題だよ。そして別に、それだけの話だ。
息を止めてしまえば、煙を吸い込む必要も無いだろう。簡単な話だ。そして、それが何よりも難しい。

「それで君は、何処へ行こうとしているの?」

何を今更。ところで今の声は誰だ?
さてね、行きたくなった場所へ。曖昧な返事で誤魔化してばかりいるんだ。
眠ってしまいたいよ。だけれど目覚めたい。問題は山積みだよ。花を語るなら花を育てなければ。
種なんて初めから持ってはいないんだ。だから無酸素の花をくれ。僕の魂よ。ニコチンで汚れた真黒な花を。
それで良ければ、今すぐにでも語れるんだ。

「それで君は、世界に何を与える気なの?」

解るもんか、そんな事。花は種を残す為に、花を咲かせた訳では無い。
朽ちて消え去るその後に、勝手に誰かが拾うだけだろ。ならば何と身勝手な僕達だろうか。
禁煙社会じゃ済まされない。人間だらけの狂った世界だよ。止めるのが簡単なら、居なくなるのも簡単だろ。
ところが全く僕達は身勝手だから、矛盾と自己主張の果てに、本日も息を吸って、また吐いたりしてるんだ。
そして祈るように、声に出してる。

君が好きなんだ。
たったそれだけで、今日も生きていける。

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[ 2008/07/15 07:34 ] 小説 | TB(-) | CM(-)
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