VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  スポンサー広告 >  告知:M線上のアリア >  東京コミケ紀行 其の五

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

東京コミケ紀行 其の五



■開場
さて一般開場と同時に、我々のブースには人だかりが生まれ、アリア本は一万冊が五分で完売した……
となると素敵なのだが、そんなに甘い世界では無い。有名サークルならいざ知らず、我々は初参加で、
自分達でさえ「こんな感じで大丈夫なのかな?」くらいの感触だったから、我々は大人しく椅子に腰掛けて、
のんびりと、お喋りなどに興じていた。噂のネズミーTシャツを着て、三人が並んでいる。

すると、ちゅい太君登場。早!あの行列だから、入場は昼過ぎくらいになると思ってたのに。
簡単に挨拶を済ませ、暫しご歓談。他にも執筆陣が応援に駆け付けてくれるので、それを待つ。
会場に来られない執筆陣の蓮火さん、アリエスさんから寄せ書きが届いており、それを見てひとしきり笑う。
時折、見知らぬ方が我がブースの前を通り過ぎたり、チラリと覗いていったりするが、手には取らない。
「見本用に、一冊用意していおいた方が良いんじゃないですかね?」
「ああ、そうですね、それ良いですね」
ぶっつけ本番、その場で軌道修正しているところが、非常にSOYUZらしい。

途中、席を離れ、他のブースを覗きがてら、煙草を一服。
喫煙所は人が盛り沢山なのだけれど、扉がある訳では無いので、煙は外まで漏れている。
これは喫煙所として機能しているのか疑問だ。中途半端な正義は如何なものか。それにしても暑い。

さて、ここから色々な方達とご対面する事になるのだが、読者の皆様にとっては「誰?」という話だろうから、
執筆陣は、基本的に【M線上のアリア】に登場する人物の名前で表記する。その他の方達は、通常通りで。

喫煙所から戻ると、何やらブース前が少し賑やかだった。志津さんが「ちゃこさんだよ!」と言った。
ちゃこさんは、僕が昔、個人サイトを運営していた頃から、多分五年ほど前から知っているはずだけれど、
もちろん、会うのは初めてだった。「おお、ちゃこさん!」と思いながら、僕はほんの一瞬だけ、彼女を見た。
瞬間、しのめんさんが「あ、ごめんなさい、オレンジさん」と僕を呼んだ。「あ、はいはい」作業の打ち合わせ。
フと顔を上げると、ちゃこさんはもう消えていた。……は、早!ブース立ち去るの早!三秒も見てないよ!
こうして、僕とちゃこさんの、感動の初対面は終わった。

執筆陣で最初に登場したのは、黒さんだった。黒さんの横には、るどん嬢がいた。M線上のアリアで言うと、
パソコンでみく子と会話している「黒ちゃん」と、落語研究会で志津と漫才コンビを組む「るどん嬢」である。
その後にサクさんがいた。もちろん、みく子の中学時代の同級生「サクちゃん」である。
三人がほぼ同時に登場したので、僕は一緒に来たのかと思っていたが、どうやらサクさんは別だったらしい。
たまたま、三人同時だったのだ。とりあえず挨拶。それにしても、この瞬間、僕は結構、感動していた。

というのも、僕とサクさんが出会ったのは、これから集まるであろう全ての人達の中で、一番古い。
何せ八年ほど前、サクさんが高校生(彼は「いや、大学生です」と言っているが、僕は高校生だと思っている)
だった頃から、僕は彼を知っているのだ。似た者同士の彼が、僕は好きだったし、似た者同士であるが故に、
その煮え切らない感じにイライラしたりもしたものだ。それほど、八年という年月は長く、重い。
彼の成長を、僕は見てきたし、僕の成長も、彼は見てきたはずで、僕が何かを始め、成功したり、失敗したり、
その度にネットから離れたり、また戻ってきたりした一部始終を、彼は全て知っているはずだった。

続けてちこさんゆんさんなつめさんと、続々と女性執筆陣が到着。正しく豪華布陣である。
不思議な事に、一応初対面にも関わらず、やはり話してみると違和感が無い。皆、本当に良い子ばかりだ。
「良い子だね」と頭を撫でたくなる。何だったら、もう、一人ずつ抱き締めて回りたい。

本の編集で間違いがあり、その件で、なつめさんにお詫びをしている最中に、KIHIROさん登場。
彼は執筆には関わってないけれど、本を手にする為に、わざわざ会場に足を運んでくれたのだ。嬉しい。
彼とは元々同郷で、ずっと「お会いしたいですね」と言っていたので、短い時間でも実現できて嬉しかった。
ちなみに、この時、僕はなつめさんへのお詫びを終え、なつめさんから地元のお土産を受け取る瞬間だった。
「あの、オレンジさん、コレお土産です」
「あ、どうもありが……」
「オレンジさん、KIHIROさんですよ!」
「あ、おお!?あ、おお!!(アタフタしながら)」
このような感じで、お土産の箱を一旦、なつめさんに返してしまった。我ながらすごく失礼な奴だ。

そして噂のイケメン・ロシュ氏登場。本編では、エリカの彼氏でありながら、元カノのみく子と浮気するという、
美味しいながらも、非常に損な役。ちなみに元々、今回の企画は、彼の参加から広がっていったのである。
「やぁ、みんな達~!お待たせだよ~!」などと、愛車ポルシェにでも乗ってキザに登場するかと思いきや、
本人は非常に周りに気を使う、彼女思いの好青年だった。地元のお土産と、お茶を差し入れてくださる。

さて、この段階に来て、いよいよ我々のブースは学園祭の様相を呈してきた。
全員がネズミーTシャツを身に付け、非常に楽しい空気を発散している。明らかに異空間である。
他のブースの方達が、真面目な自己表現の場としてコミケに参加しているのに比べたら、少々オフ会くさい。
もちろん我々も真面目な自己表現の場として、作品を本にして、こうして全国各地から集まっているのだが、
何せこんなにも大勢で作った本であり、テンションも上がり、他のブースに比べて賑やかなのは否めない。
我々――少なくとも僕は、この企画は学園祭的なノリで進める事を目標にしていたので、
これは間違いではなく、正解だった。只、場所が悪かった。此処は全国から人が集まるコミケ会場だった。
この件は僕に責任があり、もしも迷惑をかけた周辺ブースがあるなら、本当に申し訳なかったです。

事情を知らない人は、これを読んで「え、何、大丈夫?」などと心配するかもしれないが、
まぁ、会場の係員の人に4回くらい怒られた、という話である。何か、もう、ほんとごめんなさいね。
どちらにせよ会場を早めに撤退する事は事前に決めていたので、時刻が3時を回る頃、片付ける雰囲気に。
志津さんと、しのめんさんは、当日帰るのだ。マジお疲れ様です。

それから奏湖さん登場。彼女の事は六年以上前から知っている。僕は開口一番「遅いよ、お前」
考えてみるに、奏湖にせよ、サクさんにせよ、なつめさんも、SOYUZのしのめんさんもそうだけれど、
もう何年間も前に、僕が昔、個人サイトを運営してた頃に出逢った人達と、今、こうして一冊の本を作れる事、
そして、その後出逢った沢山の人達と一緒になって、こうして一冊の本を作れる事、それを今、きっと今も、
こうして誰かが読んでいる事、それは正に今、この文章を読んでいる貴方なのだけれど、そんな今がある事。
それは、きっと本当に、素敵な事なんだと思う。

僕が何処に向かっているのか、たまに僕は解らなくなる。
さっさと小説家になっちゃえよ、と言ってくれる人もいる。だけど、そんなに簡単な話でも無い。
自分の言葉を切り売りして生活していくというのは、中々どうして簡単な事では無いだろう、とも思う。
もっと沢山の人に、自分の言葉を読んで欲しい、振り向いて欲しい、もっと僕に注目してくれよ、と思うけれど、
そればかりだと、きっと僕は道を見失うだろう。僕が言葉を書き続ける理由。叫び、吼え続けたい理由。

此処に、人がいるという事だよ。

誰かがいて、僕がいて、きっと繋がっているのだと実感する。
僕は一人ではなく、皆も一人ではなく、今、確実に、こうして生きているのだと実感する。
そして、生きていたのだという証を、形にして刻んでいく。一冊の本が生まれる。全員で喜んでいる。
それが、僕は何より幸せだ。

きっと望み通りの小説家になれたとしても、僕の課題は、命題は、きっと此処に行き着くと思う。
僕は一人では何も出来ない。飛行機さえ上手に乗れない。一人は嫌いだ。怖いのだ。
それでも一人で何かを成し遂げなければならない時も、僕等にはあるだろう。
それでも。それでも、だよ。

何も出来ない訳では無い。
僕等には、何一つ出来ない事ばかりな訳じゃないし、世界が最悪だらけな訳でも無い。
此処にオレンジ色の本が一冊ある。それは僕の力でも、誰か一人の力でも無く、僕等が生み出した本だ。
それを、何処かで誰かが読んでいる。繋がっているのだ。そうして残していくのだ。
此処に、人がいるという事だよ。此処に、人がいたという事だよ。
それを僕は叫び、吼えていたい。

最後に卵茶さんが合流した。
作風とは違って男気あふれる人柄で、僕は驚いた。
荷物を片付けて会場を後にすると、僕等は打ち上げ場所に向かった。
関連記事
[ 2008/08/23 17:10 ] 告知:M線上のアリア | TB(-) | CM(-)
目次
★説明


★長編小説














★短編






★お笑い








Blog Search
QR CORD
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。