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火種は何処だ。

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今日は年に二回の消防訓練。

昨日は深夜三時まで仕事してたのに、朝九時に集合だって言うもんだから、
家に帰って少し寝て、寝惚け眼で家を出た。後輩のちゅい太君が先に到着してた。
「寝た?大丈夫?」なんて訊かれたから「うん、寝たよ」と答える。
まぁ、消防訓練は大事だろう。火事は怖いのだ。

当然、ワイワイ逃げるだけの学生時代の避難訓練とは違って、
「実際に火災が発生した時、我々はどのように消化活動に対応するべきか」
という訓練だから、何か消防署の怖い人もいるし、あまり適当にやる訳にもいくまい。
ちなみに今回の僕は、何か消化器を渡されて「火を消す役」に任命されてしまったよ。
すげぇ、めんどくせぇ。

ジリリリリリ!ウォンウォン!なんて擬音が鳴り響いて、訓練開始。
「火事です!火事です!」なんて放送が一丁前に流れたりして、皆は避難開始。
僕は消化器を手に持って、燃えてもいない火の元へと向かう。おお、パトランプ発見。

このパトランプが火災発生現場という設定らしく、消防署の人が見ている前で、
まるで燃えてもいないパトランプに向かって、腰を落とし、真面目に消化器を向ける。
10秒間、無言。おお、すげぇ恥かしい。

「はい、オッケーです」

はい、オッケーですじゃねぇよ!とツッコみたいのを抑えて、頭を下げる。
お前、誰が本番の火災現場で「はい、オッケーです」って言うんだよ!言わないだろ!
消化器を持ったままテトテトと歩いて外へ出ると、他の人達は並んで待っていた。
こういうの何か緊張するわ。苦手だわ。

消防訓練自体は呆気なく終わり、朝早くから来てるのに、時間が空いてしまった。
僕とちゅい太君は勤務時間外なので、この後の予定は特になかった。
「映画でも観る?」と、ちゅい太君。

「映画?一昨日、観たばっかりだよ」
「ウルトラマン、観たいって言ってたじゃん」
「ああ、すげぇ観たいけど、お前嫌だって言ってたのに?」
「だって昨日の日記に"誰も賛同してくれない"って書いてたじゃん」

何か可哀想だから、だって。うるせー!
うるせーけど、ありがとう!その同情、何か嫌だけど、ありがとう!
ネットにて上映時刻を調べる。すると近隣の映画館では、もう上映してないらしい。

「マ、マジかよ……」
「先週で終わってるね、もっと早く誘ってあげたら良かったね」
「いや、うん……いや大丈夫、こうなったらDVDで借りるよ、ウルトラマン……」
「そんな観たいの?」

観たいよ!
だって歴代ウルトラマンが集合するんだよ!?それってスゴイ事なんだよ!?
例えるなら、トシちゃんとマッチとヨっちゃんが、たのきんトリオを期間限定で再結成したら、
ちょっと見てみたいと思うだろうが!思えよ!……ピンと来いよ!

仕方なく、とりあえず飯でも食おうかと、外に出る。
しかし飯を食うには中途半端な時間。ブラブラ歩いていると、服屋を発見。
おお安い!しかも素敵!「ちょっと、これどう?」

僕とちゅい太君は恋人同士よろしく、互いに気に入ったモノを見せ合い、
「ああ、似合ってるね」だとか「いや、これの方が良いよ」などと言い合った。
ああ、楽しい。何でちゅい太は女じゃないんだろう。女だったら告白するのに。
ところが目の前のちゅい太は、残念ながら単なるちゅい太だ。非常に残念だ。

試着してる間、荷物を持ってくれたり、一緒に選んでくれたり、
かと思えば、僕が選んだ服を見て「良いよねぇ」なんて意気投合している。
「お前、こういうの好きそうじゃん」と言うと「うん、好き」と嬉しそうに答える。
もうホント、なんでコイツ、女じゃないんだろう。
性転換されても困るけど、性転換してくれないだろうか。いや困るけど。

ホクホク顔で買い物を終えると、僕とちゅい太君は再びブラブラと、
雑貨屋だとか、文房具屋だとかを見て回った。文房具はちょっとテンションが上がる。
「このボールペンすげぇ!」「このメモ帳、見て!」「ざ、斬新!」などと言い合ってる内に、
ちょっと腹が減ってきたのでパスタ屋へ移動。僕とちゅい太君のお気に入りの店だ。

ランチタイムには少し早いので、まだ店は空いていた。
パスタとアイス・ティーを注文し、煙草に火を点けて、何となく語り始める。
一昨日、友人と散々語ったような内容を、また語ってみる。とにかく今、どう進むべきか。

僕は、ちゅい太君の人生に責任なんて取れないけれど、
彼の人生が良い方向へ進む事を願っているし、僕が一緒に出来る事をしたい。
「してあげたい」のでは無くて「したい」のだ。僕は単に、一緒に遊んでいたいんだろう。

僕は、少し前の日記で、もしも山登りをするならば、頂上に辿り着く事よりも、
その道程が楽しいと思う、と書いた。一緒に歩いている時間が楽しいのだ、と書いた。
そして実際、それは僕にとって、とても素直な気持ちだと思う。 (注:mixi日記)

だけれど、それだけでは大人として、社会人として、
そもそもモノ作りをしながら生きていきたい一人の人間として、
あまりにも無責任だろうとも思うから、その先の事も考えたいと思っている。

僕が、ちゅい太君に出来る事は何だろう?
否、ちゅい太君だけでは無くて、文章を読んでくれる読者や、興味を持ってくれる人。
一緒にモノ作りに付き合ってくれる人や、商品を買ってくれる人。要するに、作品の結果。
僕は、結果に興味が無かった。過程を楽しむ事で、ここまで生きてきたんだ。だから子供だ。
そして子供のままでも良いとさえ思っている。世間一般の常識など、何とも思ってはいない。

だけれど、責任がある。責任があった。
果すべき責任を無視して、沢山の大切な何かを失い続けてしまった。
それは、全てが子供のままでは、最後には誰一人、幸せには出来ないという事。

ちゅい太君はパスタを食いながら、僕の話を黙って聞いていた。
まぁ、簡単な話ではない。簡単な話なら、とっくに答は出ていた。何も失いたくは無かった。
昼になり、客席が少し混んできたので、僕とちゅい太君は店を出た。少し、雨が降っていた。

家路に着く前に、僕とちゅい太君は、ある店に寄り、ある物を買った。
それは、これからの僕とちゅい太君にとって、ほんの小さな希望のような気がする。
僕が進むべき道と、果すべき責任への、ほんの小さな希望だ。僕の、僕自身への約束だ。

もしも坂道を登り続けるならば、僕は笑いながら登っていたい。
もしも何時か辿り着けたならば、それに満足してしまう自分でも在りたくない。
僕は迷っている。まだ迷っている。だけれど進むべき道は、初めから一つしか無いんだ。

火種は何処だ?
消防訓練くらいじゃ、火は消えなかったな。
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[ 2008/10/28 15:26 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)
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