
鳥は飛べると 思っていたら
飛べない鳥も 居るわけで
せめて 走れと 走れど けれど
まるで 歩いているような 遅さ
とてもじゃないが あの星までは 届くまい
飛べぬなら走り 走れぬなら歩き 歩けぬなら
せめて 僕は手を伸ばし 声を出して 叫ぶさ
やがて 声は枯れ 喉は潰れ 言葉を失くした
それでも 伸ばし続ける手に 文字が残された
僕の手は 言葉を放ち あの日と変わらず叫び
やがて 爪は割れ 肉は痩せ 手さえ失くした
羽を失くし 足を失くし
声を失くし 手を失くし
まるで 術を失くしたか?
まだ何かある 何かある 必ず 何かあるぜ
生むごとに失くし その度に考えて また生み出したろ
もう何にも無いってこと 無いよ
もう何にも無いってこと だけが 何処にも無いよ
届かなくても 届け続ける者だけに やがて それは届けられるのさ
知ってるだろ
鳥じゃなくても 知ってるだろ
飛べなくたって 知ってるだろ
エウロパが ほら 綺麗だろ
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