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キャベツ

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僕は真ん丸で 大きく 真ん丸で

葉を捲られるとも 切り刻まれるとも

思いもしない 単なるキャベツだった


浴びるほどの太陽の光も

滴るほどの秘めた瑞々しさも

ぜんぶ 僕だけのモンだった


ある時 僕は拾われて

見知らぬ世界へ 運ばれた

自分が望んだことなのか 解らない


あの場所じゃ ぜんぶ僕のモンだった

ところが今じゃ 世界は誰のモンでもなくて

奪ったり 争ったり 譲り合ったり 分け与えたり


ある時 僕の番がきて

見知らぬ世界へ 運ばれた

葉を捲られ あるいは 切り刻まれた


それから フライパンの上で 僕は 炒められた


塩 胡椒

苦味と辛味

そして熱


僕は どんどん 小さくなった

僕は どんどん 小さくなった


僕は真ん丸で 大きく 真ん丸で

葉を捲られるとも 切り刻まれるとも

思いもしない 単なるキャベツだった


なんでもできると 思ってた

なんにでもなれる ともね


気が付けば 僕は 皿の上

真白な 君の家の 皿の上


百人を 千人を 満足させられる

世界の誰もが羨む料理じゃなくて

たった一人前のキャベツ炒めだよ

それだけで 精一杯だった


悲しいことだと 思うかい

僕が悲しんでいると 君は思うかい

世の中で 何よりも 悲しいことは

何者にも 成なれないことだよ


浴びるほどの太陽の光も

滴るほどの秘めた瑞々しさも

ぜんぶ 僕だけのモンだった


だけどね

君が食べる為の 僕になった

それが本当のところだと思う


一人前のキャベツ炒めだ

空腹の君にも きっと 丁度いい

味はどうだい 冷める前に食べてくれよ


大切なのは熱なんだ

君が美味そうに笑う顔を 僕は見ていたいんだ
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[ 2011/04/12 14:03 ] 詩歌 | TB(-) | CM(-)
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