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朝露はサイレンより早く。

誰でも皆、平等に、不平等感を抱えている。

朝早く、5時半頃に、窓の外でパトカーのサイレン音が鳴り響いていた。
何事かと思って窓を開けたら、向かいの家のお婆ちゃんも窓から顔を出していた。
朝早くから、お婆ちゃんと対面する。

僕の家の周辺は、閑静だ。
普段は車の走行音すら、さして聞こえない。
時折、学校帰りなのだろうか、小学生の声が聞こえたりする。

過去と、現在と、未来は、どれも同じ重さで僕等の前に現れている。
それを忘れてはいけない。
まるでシーソーやブランコのように、片一方に偏っている事は無い。
あるのだとすれば、それは錯覚に過ぎない。

例えば、どれほど素晴らしい過去があったとして、
それが現在よりも重さを持って存在しているという事にはならない。
同じように、どれほど素晴らしい未来が待ち受けているとして、
それは現在と同じ重さの上に存在しなければならない。
其れ等は全て、等価値なのだ。

そんな風に言われてもピンとこないかもしれないけれど、
だったら、このように考えてみれば良いよ。
僕等が進むのは、細長い一本の道のようなものだ。
その道は平坦ではなく、山あり、谷あり、晴れの日があり、雨の日があり、
渇いた土の上を歩く日もあれば、水溜りを越える日もあるだろう。

それで僕等は「ああ、人生はデコボコだ、あの頃は良かった」なんて言うけれど、
エベレストがあり、マリアナ海溝があり、アフリカ大陸があり、太平洋がある、
デコボコだらけの地球だって、宇宙から見れば、まん丸なんだ。

僕等の前にも、後にも、ただ真っ直ぐに、一直線の道が佇んでいる。
進む事は出来る。戻る事は出来ない。だけれど覚えておいてくれよ。
僕等の歩く道は、何時だって同じ重さなんだ。

嗚呼、明日楽しい事があるかもしれない。
嗚呼、昨日は楽しかった。
そして今日、僕等は此処にいるんだぜ。

過去も、未来も、現在も、全て等しく君のモンだ。
楽しかった昔と、同じ重さの今が在る。
悔しかった昔と、同じ重さの今が在る。

まったく同じ重さで、また未来が在る。
忘れてしまっても良い。
泣いてしまっても良い。
何をしたって良いけれど、今の君が笑うなら、未来の君も笑うって事だ。

単純明快、一直線に、シンプルな道が続いている。
複雑にしているのは何時だって僕等の方だけれど、
それだってご愛嬌。
デコボコ道を進んでるようで、実は一直線なんだ。

デリル、覚えておいてくれ。
現在を支点にして、過去や未来に重さを与えるなよ。
君の人生を天秤にかけるような真似はしないでくれ。

どれほど残酷な過去も、どれほど壮麗な未来も、
何でもないような、くだらない現在も、全て同じ重さなんだ。
君が死んだら、僕は悲しいよ。

誰でも皆、平等に、不平等感を抱えている。

朝早く、5時半頃に、窓の外でパトカーのサイレン音が鳴り響いていた。
何事かと思って窓を開けたら、向かいの家のお婆ちゃんも窓から顔を出していた。
朝早くから、お婆ちゃんと対面する。

何が起こるか解らない、僕等の人生だ。
感情も、不安も、焦燥も、残さず吐き出してしまうよ。
もしかしたら今日、僕等は笑えるかもしれないから、今から準備をしておこう。

諦めないでくれよ。

悲しまないでくれ。

呆れる必要も無ければ、苦しむ必要も無いだろ。
飽きる必要も無ければ、慰める必要も無いんだ。

Good morning?
ほら、まるで同じ重さの今日が始まるよ。
だけれど10kgの鉛と、10kgの綿菓子が違うように、
昨日とも、ましてや明日とも違う、今日だけの今日が始まるんだ。
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[ 2013/11/01 02:12 ] 小説 | TB(-) | CM(0)
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