VOSTOK8 blog - Astronaut' Monologue TOP  >  スポンサー広告 >  雑記 >  恐怖!ハンバーガー屋の女

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

恐怖!ハンバーガー屋の女



夏は怪談の季節である。

とは言え、考えてみるに怪談における怖さの90%は、
実質、話し手の言葉の選び方と、間の取り方にあるのではなかろうか。
という訳で本日は「怪談のように聞こえる普通の話」をテーマに話していきたい。
要するに「どこにでもある普通の話を怪談っぽく話してみるよ」という事に他ならない。
基本となるテキストはコチラである。

こないだ近所のハンバーガー屋に行ったら新人の女の子が入ってて、
馴れない口調で「ご一緒にポテトはいかがですか?」と言われたんだけど、
そのたどたどしさが何となく可愛かったので、思わずポテトも買ってしまった。


まぁ、これは今、思い付きで書いただけの、
どこにでもありそうな普通の話といえば、普通の話である。
これを今から「何となく怪談っぽく」話していこうかなと思うので、
蒸し暑い夏の宵、皆さんも恐怖に打ちひしがれてみると良いのではなかろうか。

それでは『恐怖!ハンバーガー屋の女』をどうぞ。

--------

それは二年ほど前の、夏の夜の出来事だったろうか。
私はS市の国道を、車で走っていた。
仕事帰り、腹が減った私は、手軽なレストランを探していた。
すると道路沿いに大きな電飾が見え、それがハンバーガー屋の看板だと気付いた。

車を左折させ、小さな駐車場に停める。
車を降りると、蒸し蒸しとした空気に、汗が滲んでくる。
雨が降りそうな気配を感じるが、幸いな事に、まだ雨は降っていなかった。

店内に入ると、私は些細な違和感を感じた。

外に比べて、店の空気が、違うのである。
それは恐らく、エアコンによる温度調節をしっかり行っている為であろう。
非常に快適である。

しかし違和感は、それだけではなかった。
そのハンバーガー屋は、それまでにも何度か利用した事があったのだが、
その時に比べて店員の「いらっしゃいませ」の声が小さいのである。
低く、沈んだような、女の声。

それが見慣れない女の店員の声だと気付くのに、さほど時間はかからなかった。
私が何度か店を訪れた際に、この店員を見た事は無かった。
(案の定、女の胸には「新人研修中」のマークが付いたバッジが見えた。)

女の髪は長く、俯いているようにも見える。
私は、これ以上、近付いてはいけない予感を抱きながら、
仕事帰りの空腹には耐えられず、レジ・カウンターに立ったのである。

「チーズバーガーとアイスティーのMサイズ」

私の声が聞こえているのか、いないのか、女の声は小さく、よく聞き取れない。
かすかに指を動かしてレジを打ち込んでいる様子を見ると、私の声は聞こえているようだが、
それにしても一つ一つの動作が小さく、沈んで見えるのだ。

注文を終えた後、暫し、待たなければならない。
私は女から視線を外し、外を眺めた。

大きなテラスの窓から、私の車が見えた。
駐車場の電灯に照らされ、異様に白く光って見える。
雨が降って来たようで、細い筋を残すように、窓が濡れている。

雷が鳴りそうな予感がした。

その時である。

背後から、女の声が聞こえた。




「ご 一 緒 に ポ テ ト は い か が で す か ?」




小さく、低く、くぐもった声。
最初、思わず、私は聞こえないフリをした。
私はフライド・ポテトはあまり食べない主義だからである。
すると女は、背後から繰り返すのである。

「ご 一 緒 に ポ テ ト は い か が で す か ?」

声に気付いて振り向いたが最後。
必要のないフライド・ポテトを買うはめになってしまうであろう。
私は目を閉じ、心の中で「諦めてくれ!諦めてくれ!」と祈るように念じた。

「ご 一 緒 に ポ テ ト は い か が で す か ?」

恐らく、店のマニュアルで教えられているのであろう。
女はマニュアル通りに、客にポテトをオススメしているなのだけである。
女は何度も「ご一緒にポテトはいかがですか?」と唱え続ける。
まるで、それしか言えなくなった女のように。

私は窓の外を眺めたまま、動けなくなった。
動きたくても、指一本、どうしても動かないのである。
すると女は、カウンターから身を乗り出し、私の耳元に近付き、言った。


「お 客 さ ん 本 当 は 聞 こ え て る ん で し ょ ?」



そこから先の記憶は無い。
とにかく次に意識がハッキリした時、私は車を運転していて、
助手席にはハンバーガー屋の紙袋が置いてあった。
赤信号になり、紙袋を開けてみると。



そこにはしっかりと、揚げたてのポテトが、入っていたのである。



4個も。
関連記事
[ 2007/07/17 23:57 ] 雑記 | TB(0) | CM(6)
何か怖いなぁ~、、と固まりながら読んでいったら、最後には笑っちゃいましたwww

ほんと、面白い人w
[ 2007/07/20 04:57 ] [ 編集 ]
めっちゃ真剣に読んでしまってわらったw
4個すごすぎやてwwwwwwwww
[ 2007/07/18 23:16 ] [ 編集 ]
画面に自分の椿が飛んじゃったじゃないっすか。
4個て!!あなた!!v-12
[ 2007/07/18 23:15 ] [ 編集 ]
新人店員が女の子だと大抵の事は許せるけど
男の子だった場合、些細な事でも許さないw

このハンバーガーショップは大繁盛ですね。(客単価的に)
[ 2007/07/18 12:54 ] [ 編集 ]
くそぅ
めちゃくちゃ面白いじゃないか!
怪談話っぼさはあるのにただのネタ話になってるし。
ちくしょう。
orangeさんの才能にやられる。。。
[ 2007/07/18 09:54 ] [ 編集 ]
不覚っっっ
怪談苦手なのに笑ってしまった。。。

チクショー、四個ってずるいやんっヽ(`Д´)ノ
[ 2007/07/18 03:24 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

目次
★説明


★長編小説














★短編






★お笑い








Blog Search
QR CORD
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。